2004 Fiscal Year Annual Research Report
ファーネスアトマイゼーションにおけるナノ化学反応機構
Project/Area Number |
15550072
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
今井 昭二 徳島大学, 総合科学部, 教授 (50232591)
|
Keywords | 原子吸光 / 表面構造 / 原子化機構 / 活性炭 / ナノ化学反応 / フラクタル / 有害元素 / 海水 |
Research Abstract |
ファーネスアトマイゼーションにおいて黒鉛炉表面の構造の影響の研究と分析への応用について本年度、次のような研究実績が得られた。 黒鉛炉表面をタングステン、チタン、ハフニウムおよびジルコニウムなどの耐熱炭化物生成元素によって表面処理を行った場合、試料導入室の内部表面を顕微ラマン散乱分光法によって2次元マッピングを行ったところ表面処理による黒鉛の構造の劣化および処理面の均一性について処理元素によって特異的に変化することが判った。この表面処理によって試料室の親水性が変化して、溶液の大容量導入を可能にするなどのメリットを生み出した。 活性炭のサブミクロ孔の孔壁の表面における原子サイズレベルにおける表面の凹凸の程度を表す指標となる表面フラクタル次元が金の原子化の活性化エネルギーを測定することによって計測できることが判った。その速度論的および熱力学的パラメーターを求める物理化学的な解析方法も確立できた。これによって、原子サイズレベルつまりサブナノサイズでの構造特性を評価できる新しい手法を開発できた。ナノスペースのキャラクタリゼーションの新手法としての応用研究が今後期待できる。 分析化学分野の研究であることから、分析技術の高度化への研究も行った。黒鉛炉に替わる、耐熱セラミックを利用した原子化装置を試験的に試作した。その表面材は、黒鉛と同じ構造をしているが化学反応性がきわめて低い。水銀、カドミウム、鉛などの欧州環境規制元素に対して高感度化することが判った。海水中のカドミウムの環境モニタリングのために充分な高感度直接分析が可能となった。 ナノ微粒子の構造および黒鉛炉原子吸光法への利用ができることに関する知見が得られた。また、X線を利用するとナノサイズの超微粒子の組成が解明できるまでになっている。触媒、分析および表面科学分野での利用が期待できる。
|
Research Products
(3 results)