2004 Fiscal Year Annual Research Report
高性能「キャピラリー電気泳動-化学発光検出」装置の開発と環境分析への展開
Project/Area Number |
15550080
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
塚越 一彦 同志社大学, 工学部, 教授 (60227361)
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Keywords | キャピラリー電気泳道 / 化学発光 / 分離・検出 / 高感度 |
Research Abstract |
キャピラリー電気泳動は、高速液体クロマトグラフィーと比較し、その分離能の高さ、分析時間の短さ、操作コストの低さなどから、複雑な混合物の分離に対して最も効果的かつ簡便な分離技術のひとつとなっている。 今年度は、吸光と化学発光の両検出器を備えたキャピラリー電気泳動法を考案し、同一試料に対して一度の電気泳動分析で得られる分離の情報を、吸光と化学発光の両検出法にて同時に得ることを試みた。コンパクトな化学発光検出器を作成することにより、吸光/化学発光デュアル検出器を備えたキャピラリー電気泳動装置を開発することができた。イソルミノールイソチオシアネイトおよびその標識化合物を吸光/化学発光デュアル検出器で測定でき、双方の検出結果を比較することにより、混合試料に対する有用な情報が迅速かつ簡便に得られた。本装置を用いることにより、ビウレット反応の進行過程において各化学種に対して興味ある情報が得られた。 一方、近年、μ-TAS(micro total analysis system)と称される超小型分析装置の実現を目指す研究が注目されている。小型分析装置に化学発光検出を導入したシステムは、μ-TASのコンセプトと非常によく合致している。今回、過シュウ酸エステル化学発光検出を用いたマイクロチップ電気泳動法を用いて、生体成分の分離・検出を検討した。蛍光標識アミノ酸およびタンパク質の検出が、数分以内で可能であることが示された。また、泳動緩衝溶液に界面活性剤を添加することにより、複数成分のタンパク質混合試料の分離・検出が可能になった。さらに、Sample Load時の印加電圧を変えることによりサンプル注入量を増加させることができ、検出感度を約20倍向上させることができた。
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Research Products
(6 results)