2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15550092
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
小林 和裕 鳥取大学, 工学部, 助教授 (90161976)
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Keywords | ベンズアゼチン / チエノベンゾフランキノン / キノロン / ナフトチオフェンキノン / インドロキノリン / ベンゾジオキシノン / ヨウ素環化 / 光反応 |
Research Abstract |
2-(アシルアミノ)スチレン誘導体を、炭酸水素ナトリウム存在下、0℃で、ヨウ素と処理をするだけの簡便な操作で、ベンズアゼチン誘導体を合成した。本誘導体の一般的合成法は、これまで全く知られていなかった。 5-ヒドロキシベンゾ[b]チオフェン-4,7-ジオン誘導体とアルケンとを光照射すると、3+2型の付加反応が起こり、チエノ[2,3-f]ベンゾフラン-4,8-ジオン誘導体が得られた。同様の反応は、CANを用いても起こり、上記誘導体とともに、チエノ[3,2-g]ベンゾフラン-4,5-ジオン誘導体が得られた。後者骨格の合成は、今回が初めてである。 3,4-ジヒドロキノリン-2(1H)-オン誘導体を、マグネシウムビス(ジイソプロピルアミド)で処理したのち、ニトリルと反応させると、対応するエナミン誘導体が得られた。これらを無水酢酸でアセチル化したのち、DBUを用いて二重結合を移動させることにより、3-(1-アミノアルキル)キノリン-2(1H)-オン誘導体を合成できた。2位に1-アミノアルキル基を有する誘導体の一般的な合成法はこれまでなかった。 3-アシル-1,2-ナフトキノンとメルカプト酢酸エチルとの反応、1-トリメチルシリルイミダゾール、ついで塩酸での処理、最後にCAN酸化を行うことにより、ワンポットでナクト[1,2-b]チオフェン-4,5-ジオン誘導体を合成した。本誘導体の一般的合成法はこれまで全く報告されていない。 2-(2-イソシアノフェニル)-1-メチル-1H-インドールの求電子剤存在下の環化反応により、6位に様々な官能基を有する11H-インドロ[3,2-c]キノリン誘導体を合成した。従来の本誘導体の合成法に比べ、本法は極めて簡便である。 t-ブチル(2-ビニルフェニル)カーボネート誘導体を、炭酸水素ナトリウム存在下、0℃で、ヨウ素と処理をするだけの簡便かつ安全な操作で、4H-1,3-ベンゾジオキシン-2-オン骨格を合成した。本骨格は従来、2-ヒドロキシベンジルアルコール誘導体と、猛毒であるホスゲンとの反応で合成されていた。
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Research Products
(6 results)