2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15550102
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
森 俊明 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助教授 (50262308)
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Keywords | 超臨界流体 / 二酸化炭素 / フルオロホルム / 精密重合 / 表面改質 / テトラフルオロエチレン / 撥水撥油性 / ESCA |
Research Abstract |
超臨界流体は気体のような高拡散性と液体のような可溶力を併せ持ち、圧力・温度を変化させることによって容易に性質を変えることができることから新たな反応媒体として注目されている。これまで超臨界流体中にて酵素反応や高分子合成反応において効率が格段に向上することを研究代表者は明らかにしている。本研究では、超臨界流体を利用して高分子基板表面でモノマーを浸透させ、その状態で重合することで表面組成を変える全く新たな表面改質法について検討した。 超臨界流体中でフルオロカーボン鎖からなるアクリル系モノマーの浸透重合によってポリカーボネート(PC)基板の表面がより撥水・撥油性になることを明らかにした。また、化成品にてフッ素コーティングにもっともよく用いられているPTFEを導入するため、そのモノマーであるTFEを浸透重合したことによって、PCの表面にPTFEと全く同等な撥水・撥油性を付与させることができたことを接触角測定により確認することができ、また光電子スペクトル(ESCA)測定により既製品のPTFEと同様なフッ素含有量(A_<C 1s(C-F)>/A_<C 1s>=0.8)を持つ表面が得られたことがわかった。さらに重合反応時の圧力を変化することによって超臨界フルオロホルムの性質が変化し、それによって基板表面のフッ素含有量だけでなく、浸透重合反応の深さが約20〜300nmの範囲で変化したことがESCA測定により確認された。すなわち、媒体の環境を操作することにより、ナノメートルスケールでPC基板表面へのフッ素系高分子の導入が制御できることになる。数種類の汎用性高分子基板においても同様の傾向が認められ、これにより高分子基板のフッ素機能化とその制御を達成できた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] H.Nishino, A.Murakawa, T.Mori, Y.Okahata: "Kinetic Studies of Amylopectin Cleavage Reactions Catalyzed by Phosphorylase b using a 27 MHz Quartz Crystal Microbalance"Biochemistry. (印刷中). (2004)
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[Publications] H.Nishino, T.Nihira, T.Mori, Y.Okahata: "Direct Monitoring of Enzymatic Glucan Hydrolyses on a 27-MHz Quartz-Crystal Microbalance"J.Am.Chem.Soc.. 124. 1188-1189 (2004)
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[Publications] 森 俊明, 岡畑 恵雄: "超臨界流体による酵素反応の制御"化学工業. 54. 93-97 (2003)
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[Publications] T.Mori, H.Nishino, T.Nihira, Y.Okahata: "Direct Monitoring of Glucan Hydrolysis by Glucoamylase on a Quartz-crystal Microbalance"Biomolecular Chemistry. 1. 110-111 (2003)
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[Publications] 森 俊明: "超臨界流体中で酵素反応を制御する"化学と教育. 51. 420-421 (2003)
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[Publications] 森 俊明, 岡畑 恵雄: "水晶発振子上で見る糖質関連酵素"酵素工学ニュース. 50. 26-33 (2003)