2004 Fiscal Year Annual Research Report
チオアミドの非共有結合性相互作用に基づく新規分子集合体の構築
Project/Area Number |
15550103
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
神原 貴樹 東京工業大学, 資源化学研究所, 助教授 (90204809)
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Keywords | チオアミド / 水素結合 / 配位結合 / 環状化合物 / 分子集合体 / 擬ロタキサン / レセプター / ピンサー型錯体 |
Research Abstract |
本研究は、チオアミド骨格の水素結合性相互作用及び配位結合性相互作用等の非共有結合性相互作用に注目し、新たな秩序構造や高次構造を有する分子集合体を構築することを目的としている。本年度は大環状ポリチオラクタムと各種有機分子の非共有結合性相互作用及び芳香族チオアミド化合物の配位結合性相互作用に基づく新規Pd, Pt錯体の構築について検討した。 昨年度の知見に基づき、Lawesson試薬を用いるチオカルボニル化反応により環サイズを拡大した新規の大環状ポリチオラクタムを調製した。X線結晶構造解析により固体結晶状態での分子内水素結合性相互作用を明らかにした。得られた大環状ポリチオラクタムは、環サイズの拡大により電子受容性基を有するアミド及びエステル化合物を環内孔に効率良く取り込み安定な擬ロタキサンを形成することが、NMRスペクトル及びX線結晶構造解析から明らかになった。これら擬ロタキサンは、電荷を持たない包接錯体としては初めて単離・結晶構造解析されたものである。また、これら擬ロタキサンに塩を添加すると、陰イオンの高い陽子受容性により包接錯体からのゲスト分子の解放・放出が確認された。 さらに、チオアミド基を有する芳香族キレート配位子を調製し、新規のピンサー型Pd, Pt錯体を得た。そして、X線結晶構造解析からそれらの配位結合性相互作用、分子間相互作用を明らかにした。また、得られた錯体の光学的特性を調べ、いずれの錯体もりん光発光性錯体であることを明らかにし、有機EL素子の発光材料として機能することを確認した。
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Research Products
(2 results)