2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15550115
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
野上 隆 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (80029280)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 尚行 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (00232306)
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Keywords | 分子磁性 / 遷移金属錯体 / 結晶構造解析 / 希土類イオン錯体 / 単分子磁石 / 磁性の光制御 / キラル磁石 / 伝導性有機錯体 |
Research Abstract |
本研究では三次元的に集積して興味深い磁性を示す超分子構造の開発、ならびにその複合材料への応用を目指した。分子性磁性体を題材にして、ホスト-ゲスト化学のような超分子手法を用いて強磁性的/反強磁性的相互作用をスイッチしたり、光や圧力という外的刺激により磁化を発生あるいは消滅させるといったような、動的に磁性を制御することを、複合材料のもう一つの鍵となる性能と位置づけた。 (1)キラルな空間群をもつ弱強磁性体[Fe(pm)_2Cl_2](pmはピリミジン)の磁気構造を偏極中性子線回折やメスバウアー分光などから明らかにした。新規な磁気光学素子に展開できる可能性がある。(2)[M(pm)(N_3)_2](M=Mn,Fe,Co,Ni)は、紫外光照射により誘起磁化を生じるものを見いだした。[M(pm){N(CN)_2}_2]はナノサイズ空間を持ち、ゲスト分子の貫入により磁気相転移温度などが変化した。この物質は構造がやわらかく、0.4GPa程度の圧力によって自発磁化の有無をスイッチできた。(3)クラウンエーテル状の側鎖をもつニッケル錯体では、Baイオンの有無によって分子間の磁気的相互作用が強磁性/反強磁性的にスイッチすることがわかった。(4)気体吸蔵性能を目指したハニカム格子状多孔質錯体[Cu(4APM)(OCH_3)(NO_3)]を合成した。(5)ランタノイドと3d金属イオンを含む多核錯体から単分子磁石性能を有する[DyCuDy]および[Ln_4Cu](Ln=Tb, Dy)を開発した。(6)安定ラジカルを有し、さらに金属に配位する部位をもつ配位子を合成し、それと各種の遷移金属との錯体の構造、磁性を調べた。(7)伝導性有機錯体の開発を目指して、酸素とセレンを有するフルバレン誘導体の合成に成功した。
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Research Products
(14 results)