2004 Fiscal Year Annual Research Report
脂質非二重膜構造中における自発的分子認識機構の解明
Project/Area Number |
15550122
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
松木 均 徳島大学, 工学部, 助教授 (40229448)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金品 昌志 徳島大学, 工学部, 教授 (80035617)
|
Keywords | 脂質二重膜 / 相転移 / 非二重膜構造 / 指組み構造ゲル相 / ヘキサゴナルII相 / 高圧力 / コレステロール / 巨大単層ベシクル |
Research Abstract |
脂質分子は通常、二重膜構造の会合体を形成するが、特定の条件下では非二重膜構造の会合体を形成する。本年度は2種類の非二重膜構造に関する研究(指組み構造ゲル相への溶媒(重水)効果、ヘキサゴナルII相への圧力効果)およびリン脂質-コレステロール系の相図構築、巨大単層ベシクルの研究を行った。得られた結果を以下に記す。 1 ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)二重膜への重水置換効果を調べた。重水置換は両リン脂質の指組み構造ゲル相形成を不安定化し、その領域をより高圧力下へと移行させた。 2 ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)二重膜相転移への圧力効果を調べた。今回、添加塩存在下において液晶相からヘキサゴナルII相への相転移を高圧力下で観測することに初めて成功し、その転移は高い圧力依存性を有する体積支配の転移であることを見出した。 3 蛍光プローブProdanを混合したDSPC二重膜およびLaurdanを混合したDPPC二重膜へのコレステロール添加効果を常圧下において追跡した。脂質膜状態に依存した両プローブの蛍光極大波長の温度依存性を詳細に調べ、両リン脂質に対する温度-コレステロール組成相図を構築した。 4 ジオレオイルホスファチジルコリン(DOPC)を用いて静置水和法による巨大単層ベシクル(GUV)の作製を行い、微分干渉顕微鏡を用いたGUVの形態観察を行った。DOPC二重膜を純水中に単に静置しただけでは、GUVの形成は見られなかったが、無機塩存在下において安定なGUVの形成が認められた。
|
Research Products
(6 results)