2005 Fiscal Year Annual Research Report
可視光による脂質二分子膜を介したイオン輸送の光制御
Project/Area Number |
15550142
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
神 隆 北海道大学, 電子科学研究所, 助手 (80206367)
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Keywords | カリックスアレーン / イオン輸送 / 二分子膜 / 脂質 / 可視光 / 光制御 / キャリアー |
Research Abstract |
本研究では、カリックスアレーン型イオンキャリアーに光応答性部位を導入することにより、可視光に応答してイオン輸送能が変化する人工イオンキャリアーの合成を目的とした。現在、知られている光応答性分子のほとんどは、400nm以下の紫外領域の光によって構造変化を起こす。そのため、本研究では可視光(400nm以上)に応答する化合物としてジメチルアミノアゾベンゼン誘導体を選び、人工イオンキャリアーとしてカリックス[4]アレーンエステル体のイオン結合部位近傍に配置した。合成したジメチルアミノアゾベンゼン修飾カリックス[4]アレーンエステル体のイオン輸送特性は、平面二分子膜法により調べた。その結果、ジメチルアミノアゾベンゼン修飾カリックス[4]アレーンエステル体はナトリウムイオンに選択的なイオンキャリアーとして機能することがわかった。また、可視光照射(400nm以上)によって、脂質二分子膜を介したナトリウムイオンの輸送能が制御できることを見いだした。人工的な脂質二分子膜系において、可視光によるイオン輸送のスイッチングに関する報告はこれまでほとんどない。 本研究課題では、可視光応答性イオンキャリアーとして以下の特性を有したカリックスアレーン型キャリアーの合成に成功した。a)ナトリウムイオン選択性 b)イオン輸送に伴う膜電位の生成、c)400nm以上の可視光によるイオン輸送の制御。本研究は、全く人工的なキャリアー分子を脂質二分子膜に導入し、可視光によりイオン輸送(電流)の制御を実現したもので、その成果は光による膜電位の生成・(膜興奮)にもとづく視覚モデルとしても重要な位置付けを有する。
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Research Products
(2 results)