2004 Fiscal Year Annual Research Report
立体異性化ヌクレオチドを含む特異な交叉型三重鎖形成核酸の機能化と遺伝子発現の制御
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15550144
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
篠塚 和夫 群馬大学, 工学部, 教授 (20206105)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森口 朋尚 群馬大学, 工学部, 助手 (70334133)
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Keywords | キメラDNA / インターカレーター / 交叉型三重鎖 / 亜リン酸化 / コンジュゲート / 熱安定性 / アントラキノン / 融解温度 |
Research Abstract |
先ず、本年度の研究実施計画の1)及び2)に従い、以下の研究を行った。 1)標的二重鎖と高い熱安定性を持つ三重鎖を形成することが可能な修飾キメラDNAとして、キメラDNA中のα-鎖部分とβ-鎖部分を連結するリンカー配列中の核塩基部分に、二重鎖親和性性物質(インターカレーター)を結合させた核塩基を導入した、新たな修飾キメラDNAを合成した。 2)上で得られた修飾キメラDNAと二重鎖DNAが形成する交叉型三重鎖の熱的安定性について、UV融解法により解析したところ、インターカレター結合塩基を一箇所導入した場合では約10℃、2箇所導入した場合では約15℃と、大幅な安定性の向上が観察され、これにより生理的温度(37℃)を大きく越えた融解温度(52℃)を持つ、実用性の高い三重鎖形成核酸を開発することができた。さらにインターカレータ部分のUV吸収の温度依存性変化の解析から、ここで得られた安定性の向上は、導入したインターカレーターが二重鎖部分と相互作用していることに基づくもので有ることが強く示唆された。これらの結果は論文として国際誌に発表した。 さらに本年度の研究実施計画の3)に従い、以下の研究を行った。 3)ジグザク型結合様式によって二重鎖と三重鎖形成を行うことの出来る新たなキメラDNAの開発を目指し、キメラDNA中のα-鎖部分とβ-鎖部分を入れ替えた、5'-αDNA、3'-βDNA構造を持つ新たなキメラDNAを作成し、その三重鎖形成能について解析を行った。その結果予期に反し、単純にこれまでのキメラDNA中のα-鎖部分とβ-鎖部分を入れ替えた構造を持つキメラは、標的となる二重鎖DNAと三重鎖形成はおこなうものの、その熱的安定性は以上に低下することが示唆された。現在この原因について、塩基配列の面から再検討を行っている。
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Research Products
(2 results)