2003 Fiscal Year Annual Research Report
βシートポリペプチドを結合したポルフィリン錯体の自己集合と多電子酸化還元触媒作用
Project/Area Number |
15550149
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
新井 徹 九州工業大学, 工学部, 助教授 (50222716)
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Keywords | ポルフィリン / ポリペプチド / 自己集合 / ベータシート構造 / 酸化反応 / ヘム酵素 / 触媒反応 / CDスペクトル |
Research Abstract |
1、分子全体が両親媒性を取る、「ポリペプチド片面修飾ポルフィリン」の合成 両親媒性βシート構造をとりうる5残基のポリペプチドとして、AcCysLysValLysValNH2およびAcCysGluValLysValNH2を合成した。トランス位にブロモアセタミド基を有するポルフィリンを、ジピロメタン法により合成した。これらをDMF中で反応させ、HPLCで精製し、ポリペプチドを2本結合したポルフィリンを得た。 2、「ポリペプチド片面修飾ポルフィリン」の水溶液中での自己組織化 このポリペプチド片面修飾ポルフィリンでは、2本のポリペプチド鎖はポルフィリン環の片面をおおうように、逆平行βシート構造を形成すると考えられる。その結果イオン性アミノ酸残基(LysとGlu)を外側に、親水性アミノ酸残基(Val)をポルフィリン側に向けた構造となり、分子全体が両親媒性構造をとる。実際、この分子はCDスペクトルにおいてβシート構造に特徴的なコットン効果を示した。通常βシート構造はポリペプチド鎖2本では不安定であることから、この分子がいくつも集合していることが考えられた。緩衝液中での吸収スペクトルやHPLC分析において顕著な濃度依存性を示すことからも、この分子の自己集合性が示唆された。現在NMR測定により詳細な構造を検討中である。 3、自己組織化「ポリペプチド片面修飾ポルフィリン」による、生体類似多電子移動反応 この「ポリペプチド片面修飾ポルフィリン」の鉄錯体、コバルト錯体を合成し、過酸化水素水を酸化剤として、ヘム酵素の一つであるペルオキシダーゼ類似の触媒反応を試みている。基質として、ペルオキシダーゼ活性の指示薬(メチレンブルー誘導体)、フェノール誘導体を用い、触媒の自己集合構造と酸化反応活性の関係について検討している。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Toru Arai, et al.: "Self-assembling of the porphyrin-linked acyclic penta- and heptapeptiedes in aqueous trifluoroethanol"The Journal of Organic Chemistry. 68・14. 5540-5549 (2003)
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[Publications] Toru Arai, et al.: "the orientation and dipyridyl-binding property of zinc and cobalt porphyrins linked to the cyclic peptide Gramicidin S"Biomolecular chemistry, a bridge for the future Maruzen, Tokyo. 176-177 (2003)
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[Publications] Toru Arai, et al.: "Spectroscopic characterization on the assembled pair of the free-base and zinc porphyrins linked by a cyclic β-sheet peptide Gramicidin S"New Journal of Chemistry. (印刷中). (2003)