2004 Fiscal Year Annual Research Report
蛍光性三脚型6座配位子の新規合成と細胞観察用蛍光プローブへの応用に関する研究
Project/Area Number |
15550152
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Research Institution | Seikei University |
Principal Investigator |
加藤 明良 成蹊大学, 工学部, 教授 (00167339)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 良太 成蹊大学, 工学部, 助手 (90327974)
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Keywords | 蛍光性2座配位子 / キノキサリン / 3-ヒドロキシ-4(1H)-ピリジノン / カテコール / 鉄錯体 / 蛍光誘導体化試薬 / 蛍光プロープ / イミダゾピラジン |
Research Abstract |
生長に必要な鉄の細胞内への取り込みは,一般的な細菌から病原性細菌に於いて幅広く見られる現象である。従って,新規な細胞観察用蛍光プローブを開発することは,鉄取り込み機構の解明のみならず病原性細菌の研究を通した医薬品の創製に於いて必要不可欠である。本研究では、新規な蛍光性2座および三脚型6座配位子を合成し,鉄錯体形成による消光と配位子解離による蛍光の回復,すなわち蛍光のON-OFFを利用し,菌体を用いた鉄取り込みの蛍光顕微鏡を用いた直接観察を目的とした。 平成16年度は,蛍光性2座および三脚型6座配位子の合成と蛍光特性の評価を中心に研究を進めた。その結果,以下のような成果が得られた。1.6-アミノ-2,3-ジモルホリノキノキサリンにカテコールがメチレンを介して結合した新規な蛍光性2座配位子(a)を合成した。2.L-プロリナールを用いた還元的アミノ化反応により新規な蛍光性の光学活性キノキサリン(b)を合成した。3.6位と8位にアリール基が置換した新規なイミダゾピラジン(c)を合成した。4.蛍光性三脚型6座配位子は中間体の溶解性が予想以上に低かったため合成できなかった。5.2座配位子(a)では塩基性条件下でカテコール部位からキノキサリン環への分子内電荷移動に基づく吸収帯が観測された。6.光学活性キノキサリン(b)は高感度な光学純度決定試薬に成り得ることが明らかとなった。7.イミダゾピラジン(c)は活性酸素の一種であるスーパーオキシドラジカルアニオンの高感度検出だけでなくpHセンシングも同時に行えることが明らかとなった。 これまでの研究成果の一部は有機合成化学協会誌Heterocycles誌,Luminescence, J. Biol. & Chem. Luminescence誌などの学術雑誌に,一部は第34回複素環化学討論会で発表した。
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Research Products
(6 results)