2003 Fiscal Year Annual Research Report
マンガン反応剤の化学の新展閉に基づく有機合成反応の開発
Project/Area Number |
15550166
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
北條 信 筑波大学, 化学系, 助教授 (50229150)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細見 彰 筑波大学, 化学系, 教授 (00004440)
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Keywords | 共役エンイン / 2電子還元 / 共役ジイン / vic-ジアニオン / 位置選択的 / 立体選択的 / 有機亜鉛反応剤 / Grignard反応剤 |
Research Abstract |
有機合成においてエンイン類は有用な合成中間体であり、エンイン類を利用する合成法は活発に研究されている。特に多置換共役エンイン類の合成は、遷移金属触媒によるハロゲン化ビニルと末端アセチレンのクロスカップリング反応がほとんどである。そのために、ハロゲン化ビニルを位置及び立体選択的に合成することが多置換共役エンイン類の位置及び立体選択的合成につながる。しかしながら多置換エンイン類の位置及び立体選択的合成や多様な置換基の導入は、重要な課題である。 研究代表者らは、共役ジインに対して2当量のリチウム ジt-ブチルビフェニリドを作用させることにより片方の三重結合が位置選択的に2電子還元を受け、vic-ジアニオン中間体を与えることを見つけた。このジアニオン中間体をプロトン化することにより、共役エンインが得られた。さらに、このvic-ジアニオン中間体の2価亜鉛へのトランスメタル化により、2つのアニオンを順次異なる求電子剤と位置および立体選択的に反応させることに成功した。求電子剤には付加型の反応を起こすイソブチルアルデヒドやジメチルホルムアミド、置換型の反応を起こすクロロメチル メチルエーテルやクロロジメチルヒドロシランなどを利用することができ、vic-ジアニオンの亜鉛中間体は、通常の亜鉛反応剤とは異なる反応性を示すことも見つけた。 また、vic-ジアニオンのGrignard反応剤へのトランスメタル化と、続く求電子剤との反応による多置換共役エンインの合成についても検討したところ、2価亜鉛へトランスメタル化した場合とは異なる興味深い反応性を示した。 これらの反応により、2電子還元を利用した2つの炭素-炭素結合の形成が可能になった。
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Research Products
(1 results)