2003 Fiscal Year Annual Research Report
第三級アミンを発生する光塩基発生剤の開発とそれを利用した硬化系の構築
Project/Area Number |
15550168
|
Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
陶山 寛志 大阪府立大学, 工学研究科, 助手 (90305649)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白井 正光 大阪府立大学, 工学研究科, 教授 (00081331)
|
Keywords | 光塩基発生剤 / 第四級アンモニウム塩 / チオシアナート / 光反応 / 熱安定性 / エポキシ樹脂 / 硬化剤 / 第三級アミン |
Research Abstract |
1.チオシアナートアニオン型光塩基発生剤の光および熱反応 対アニオンにチオシアナートを持つ第四級アンモニウム塩(QAS)型光塩基発生剤は、対応するジチオカルバマート型に比べ溶液中では全く分解せず、熱分解温度も高いことがわかった。しかし、ポリ(グリシジルメタクリラート)(PGMA)中では60℃以上の温度で膜の不溶化をもたらし、エポキシ樹脂中での保存安定性には課題を残した。 光反応性はジチオカルバマート型より低下したので各種スペクトルで反応を追跡したところ、副生成物の環化反応が生成するアミンによって促進され、最終的にチオアラート/アミン錯体を形成することを確認した。 以上の興味深い特性を踏まえた上で硬化剤としての挙動を検討したところ、光照射と後加熱条件をうまく選択すると、光照射部分のみ選択的に不溶化できることができた。 2.対アニオンの影響の検討 対アニオンにこれまで用いてこなかったものを合成し、光反応性と熱安定性を検討した。チオシアナートアニオンの硫黄原子をさらに原子半径の大きいセレンに替えたセレノシアナートアニオンをもつQASは、チオシアナート型より光反応性は優れるものの、PGMA膜中での熱安定性は劣る結果となった。ジチオカルバマート型より硫黄原子の電子密度が低いチオ酢酸イオン(CH_3COS^-)をもつQASは、化合物自身の熱分解温度が100℃以下になり、PGMA膜中での安定性は低いものであった。その他の数種類のアニオンについても合成を試みているが、アニオン交換しにくいものが多く、合成ルートを含めて検討しているところである。
|
Research Products
(1 results)