2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15550170
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
木島 正志 筑波大学, 物質工学系, 講師 (70177822)
|
Keywords | 共役系高分子 / 多孔性炭素 / 高収率炭素化 / 電気二重層キャパシタ / 含窒素炭素 |
Research Abstract |
主鎖骨格が堅固であるなどの芳香族系共役系高分子の特徴を活かし、不活性雰囲気での焼成による炭素化反応により新しい炭素材料を設計合成し、それらの機能材料としての基本的性質を明らかにすることを目的として、芳香環とブタジイン結合が連結した数種のポリ(フェニレンブタジイニレン)PPB類を合成し、炭素化条件の検討、ならび炭素化物の解析を行った。不溶不融性PPB類の900℃までの焼成により調製した炭素化物は、粉末状、ペレット成形体ともにXRDとラマンスペクトル解析より結晶子のサイズが1nm程度のアモルファスカーボンに帰属でき、窒素吸着測定よりBET比表面積は600〜1000m^2/gで平均ミクロ孔径が0.8nm程度のミクロ孔主体の多孔性炭素を生じる。またミクロ孔とともに存在するメソ孔は、孔径が4nm付近に分布するなど構造が制御されている多孔性炭素を生じることがわかった。これらPPBの炭素化反応は高収率で進行することから、フェニレン部位にヘテロ原子を導入することにより効率よく炭素材にヘテロ原子を導入することができるものと考え、PPBの構成ユニットであるベンゼンをピリジンに置き換えたPPB類の合成も行い炭素化を行った。その結果、炭素化収率約90%で窒素含有量約6%の多孔性炭素を調製することができた。これらのPPB炭素化ペレット成形体を用いて1M硫酸水溶液中における電気二重層キャパシタ容量を測定したところPPB炭素化物の中で特にメソ孔が発達しているものと窒素を含有するものが3極式セルで300F/g以上の高い静電気容量を示すことがわかった。
|