2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15550170
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
木島 正志 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (70177822)
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Keywords | 共役系高分子 / 炭素化 / 多孔性炭素 / ナノ構造化 / 含ヘテロ原子 / 含金属 / 電気二重層キャパシタ / ポルフィリン |
Research Abstract |
主鎖に炭素-炭素三重結合を有する共役系高分子であるポリ(フェニレンブタジイニレン)類やポリ(フェニレンエチニレン)類は不活性ガス雰囲気900℃程度までの単純な昇温焼成過程で80%程度以上の高収率で炭素化されることを見出した。その高分子骨格を選択することによりミクロ孔主体の多孔性炭素を生成することが明らかになった。ミクロ孔は緻密に架橋した堅固な主鎖構造をもつポリマーネットワークの炭素化時の収縮により生じると考える。これらの炭素化物の窒素吸着測定による表面積解析から,同条件で炭素化する場合ブタジイン型よりエチニレン型ポリマーのほうがりミクロ孔幅の狭い多孔性炭素を生成することがわかった。すなわち共役系高分子主鎖骨格を変えることにより生成炭素のミクロ孔構造をある程度制御することができることが明らかになった。さらにこれらの高分子主鎖構造にヘテロ原子や金属を導入し,炭素化することにより異元素を高分散状態で含有する多孔性炭素を高収率で調製することが可能となった。窒素の導入には,これらの共役系高分子の芳香環部位をピリジンやピロール骨格を含むポルフィリンに変えることにより効率よく窒素を炭素化物に固定化することができた。またホウ素の導入には,トリエチニルボラン誘導体モノマーと共重合し,炭素化することにより実現した。種々の金属の導入は,ポルフィリン金属錯体との共重合により共役系高分子を合成し,その炭素化により実現した。これらの高分子を炭素化したものは,いずれもミクロ孔主体の多孔性炭素となった。調製したヘテロ原子を含む多孔性炭素の電気二重層キャパシタ特性を硫酸水溶液中で検討したところ,ヘテロ原子を持たない同程度の比表面積をもつ多孔性炭素より高いキャパシタ容量を持つことが明らかになった。その他,共役系低分子の炭素化によるミクロ孔炭素の調製にも成功した。
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Research Products
(2 results)