2004 Fiscal Year Annual Research Report
多価イオンが伝導する新規な固体電解質の構築とガスセンシングへの応用
Project/Area Number |
15550172
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
今中 信人 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30192503)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増井 敏行 大阪大学, 大学院・工学研究科, 講師 (00304006)
足立 吟也 重里環境, 化学研究所, 所長(研究職) (60029080)
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Keywords | 多価イオン / 固体電解質 / リン酸塩 / ナシコン型 / センサ / アルミニウムイオン / 酸化ホウ素 / CO_2 |
Research Abstract |
これまで固体電解質中の伝導イオン種としては1,2価イオンがよく知られているのに対し、3価以上の高価数カチオンは周囲に存在するアニオンとの強い静電気的相互作用のため固体中の伝導は困難であると考えられていた。しかし、3価イオン伝導に適した結晶構造や伝導イオン種を厳選することで、これまでに研究代表者らはナシコン型構造を有するM^<3+>イオン伝導体(M_<0.2>Zr_<0.8>)_<20/19>Nb(PO_4)_3の開発に成功している。しかしながら、これらの機械的強度は低く、ガスセンサ材料などへの応用を考えると、さらなる機械的強度およびさらなる3価イオン伝導性の向上が必要であった。そこで本研究では、ナシコン型構造を有するAl^<3+>イオン伝導体(Al_<0.2>Zr_<0.8>)_<20/19>Nb(PO_4)_3、並びにSc^<3+>イオン伝導体(Sc_<0.2>Zr_<0.8>)_<20/19>Nb(PO_4)_3の機械的強度と3価イオン伝導性の向上を目指し、焼結助剤として酸化ホウ素を添加し、その3価イオン伝導特性を調べた。その結果、酸化ホウ素を6〜8重量%添加することで、機械的強度が約2倍向上し、3価イオン伝導性も1.5〜2倍向上することが明らかとなった。 また、酸化ホウ素を添加して焼結を行ったAl^<3+>イオン伝導体(Al_<0.2>Zr_<0.8>)_<20/19>Nb(PO_4)_3をイットリア安定化ジルコニアと組み合わせた炭酸ガスセンサを作成した結果、Al^<3+>イオン伝導体の焼結性の向上により、酸化ホウ素未添加の(Al_<0.2>Zr_<0.8>)_<20/19>Nb(PO_4)_3焼結体を用いたセンサよりも優れたガス検出特性を示すことが判明した。
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Research Products
(6 results)