2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15550177
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
大谷 茂樹 独立行政法人物質・材料研究機構, 物質研究所, ディレクター (90343839)
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Keywords | 窒化ガリウム / 基板 / ニホウ化ジルコニウム / 単結晶 |
Research Abstract |
平成15年度は、高純度ZrB2単結晶を育成するための原料を合成した。 市販粉末は純度が低く(99%以下)、結晶育成用原料として用いると、鉄、チタン、炭素、酸素等の不純物が結晶中に検出された。鉄不純物ついては、高い育成温度(3220℃)により大部分蒸発により除去された。さらに、育成速度を1cm/hに下げることで4ppmまで低減した。3cm/hの高速で育成した場合には10ppm程度残留し、非常に弱い強磁性を示した。一見新規な現象と見られるこの現象は他のホウ化物においても観察された。チタン不純物は、育成中の蒸発により完全には除去されない。従って、Tiを含まない出発原料を選ぶ必要があった。炭素不純物の少ない原料を合成するために、(1)ジルコニウム金属(Zr金属)とホウ素の直接反応、および、(2)ジルコニアとホウ素の反応を用いた。高純度なZr金属及びジルコニアは入手できるが、ホウ素は常に0.2wt%程度の炭素を含有した。この炭素は、前者の反応では十分には除去できなかった(70-80ppm)。出発原料中の1/4程度までの低減であった。後者の反応のでは、1600℃以上の合成温度において、酸素と反応しCOとなり除去された。その結果、原料中の炭素不純物量を30ppm以下に低減することが出来た。 従って、ZrB2結晶の育成には、ジルコニアとホウ素の反応より合成した原料を用いた。得られた結晶中の不純物は、検出感度以下の炭素、(20ppm以下)、50ppmの酸素、4ppmの鉄であった。目標通り、純度99.99%以上の単結晶を育成することが出来た。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] S.Otani, T.Mori: "Flux growth of CaB6 crystals"J.Materials Science Letters. 22. 1065-1066 (2003)
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[Publications] S.Otani, Y.Xuan, Y.Yajima, T.Mori: "Flux growth of YB4 crystals and their magnetic properties"J.Alloys and Compounds. 361. L1-L3 (2003)