2004 Fiscal Year Annual Research Report
極性ネマチック高分子液晶を示すチェインド・クロモフォアのSHG増幅に関する研究
Project/Area Number |
15550180
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
川内 進 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (80204676)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 順次 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (90111666)
戸木田 雅利 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (30301170)
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Keywords | ポリエステル / 分子不斉 / ポリアミド / 非線形光学効果 / 高分子液晶 / 量子化学計算 |
Research Abstract |
代表的な全芳香族液晶高分子であるp-ヒドロキシ安息香酸とヒドロキシナフトエ酸の共重合体Poly(HBA/HNA)がネマチック液晶相において高分子鎖の分子軸方位だけでなく分子軸に垂直な方位にも極性を自発的に揃えた極性液晶構造を形成し、強い第二高調波光(SHG)を発生することを見出した。これらを詳細に検討するために、3-ヒドロキシ安息香酸(MBA)をコモノマーとして加えてベント構造を導入し、液晶転移温度を下げ極性構造がどのように影響を受けるかSHG測定と量子化学計算から検討した。その結果、MBAの導入率が、5%と40%付近でSHG強度が大きく減少しており、この導入率付近で極性液晶構造の変化がおこっていることが明らかとなった。また、SHGの偏光角依存測定より、5%付近では分子軸に垂直な方位の極性が消え、分子軸方向にのみ極性を持つ極性液晶構造へ変化していることがわかった。また、40%付近では、量子化学計算によるHBAとMBAの比較から、kink構造の導入による分子の直線性低下と超分子分極率(β)の減少という2つの要因により、SHG強度が減少していることが明らかになった。量子化学計算からは、重合度の増大に伴ってβがほぼ線形に増加することが明らかとなったが、全芳香族ポリアミドではβの変化が非線形であることが予想された。これは、SHGクロモフォアの連結により、増幅効果が現れる可能性を示唆するものである。またN-アルキル全芳香族アミドオリゴマーではシス体がトランス体より安定であり、直線性を失って折りたたまれた構造は分子不斉であることを量子化学計算から見出した。実際にいくつかの化合物を合成し、キラル剤を添加することにより片側の不斉が誘起されることをCDにより確認した。
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Research Products
(1 results)