2003 Fiscal Year Annual Research Report
超臨界二酸化炭素染色による屈折率傾斜光増幅ファイバーの創製
Project/Area Number |
15550181
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
堀 照夫 福井大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90092832)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久田 研次 福井大学, 助手 (60283165)
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Keywords | 光ファイバー / 光増感光ファイバー / 超臨界二酸化炭素 / オーラミン / ポルフィリン / 拡散 / 染色 / レーザーダイオード |
Research Abstract |
1)超臨界二酸化炭素を媒体とする光ファイバー材料への色素の注入:光ファイバーの材料となり得る高分子ファイバーとしてフッ素系、アクリル系およびポリエステルのガット糸について増感機能を有する色素(オーラミン8G、ポルフィリン)の超臨界流体を媒体とする染色を行った。温度(35〜120℃)と圧力(10〜25MPa)を変え色素の注入を行った。ポリエステル繊維では用いた大抵の色素が分解することなく安定に、ファイバー内に拡散・固定できた。拡散は単純Fick則に従って拡散することを顕微分光光度計を用いて観測した。また、拡散係数には濃度依存性はないことが分かった。フッ素系高分子では色素の親和性が低かったが、温度を高めることで十分な量が注入できた。アクリルファイバーは高分子そのもののガラス転位温度が低く、50℃以上では明らかにファイバーの構造変形が生じたが、35〜40℃ではほぼ必要量の色素が注入できた。今後はモディファイヤー添加の効果を検討する。 2)超臨界流体中でのファイバーの構造変化:ポリエステルでは超臨界処理中に結晶化が進行したが、これは予め熱処理することで防止できることが分かった。これに対し、本来非晶性のフッ素系高分子、アクリルファイバーでは結晶化度の変化はなかったが、後者では特に変形が生じた。温度の上昇に伴う変形(構造変化)には十分配慮が必要で今後さらに詰める必要がある。 3)屈折率調整用ポリマーのファイバー内への注入:超臨界二酸化炭素流体の注入による屈折率の傾斜を期待したが、この効果は小さかったので、新たに超臨界に溶解させた高分子(主にフッ素系高分子)をファイバー内への注入を行った。予備実験の結果、ポリエステルファイバーに対してはシリコンやポリエチレングリコールが注入でき、屈折率に傾斜を持たせることが可能であることを確かめた。 4)光増感機能評価装置の組み立て:市販の高出カレーザーダイオード(LDF-80502TC)および高出レーザーダイオード駆動電源(DPS-3500TC)を組み合わせ、光増感機能測定装置を組み立てた。
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