2003 Fiscal Year Annual Research Report
シーケンシャルマクロモノマーの精密合成を鍵とする機能性ナノ微粒子の創製
Project/Area Number |
15550184
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
箕田 雅彦 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (30229786)
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Keywords | シーケンシャルマクロモノマー / 両親媒性ブロック共重合体構造 / グルコース含有ビニルエーテル / リビングカチオン重合 / 分散共重合 / 単分散ポリマー微粒子 / 表面グルコース残基 / Con Aとの特異的相互作用 |
Research Abstract |
本年度は、両親媒性ブロック共重合体構造からなるシーケンシャルマクロモノマーを用いて、糖残基を表面に有するポリマー微粒子を効率的に得るための合成手法の確立、ならびに生成ポリマー微粒子の表面構造、分散特性、生体分子との特異的相互作用の解析を行い以下の成果を得た。 メタクリロイル(MA)基含有開始剤とZnI_2を用いるリビングカチオン重合により、アルキルVEおよびイソプロピリデングルコース含有VEを逐次ブロック共重合させたのち、トリフルオロ酢酸/水系で脱保護することで、末端にMA基を有し、分子量や組成比が制御された、グルコース(Glc)含有両親媒性ブロック共重合体型マクロモノマー1を合成した。エタノール/水混合溶媒中で、1とスチレン(St)との開始剤VA-044による分散重合を行うことで、サブミクロンサイズの単分散球状ポリマー微粒子(Dw/Dn<1.05,Dn〜400nm)を収率約80%で得た。種々の比較実験から、マクロモノマー1が単分散ポリマー微粒子の合成に必要不可欠であることを確認するとともに、溶媒量、重合温度、重合時間、1とStとの仕込み比などの重合条件が、生成ポリマー微粒子の収率、粒径、粒径分布、形状等に及ぼす影響を系統的に検討した結果、単分散微粒子の合成条件を最適化することができた。生成ポリマー微粒子は水への良好な再分散性を示した。さらに、アンスロン-硫酸法により、ポリマー微粒子表面におけるGlc残基密度を調べた結果、マクロモノマー1の添加量の増大に伴って、粒径の減少と粒子表面のGlc密度の増大が観測された。この他、Glc結合性タンパク質であるCon Aの共存により、Glc含有ポリマー微粒子の分散液のみが凝集を引き起こすことを定性的に確認した。以上の結果より、分散重合の過程でStと共重合したマクロモノマーの両親媒性側鎖部分が粒子表面に局在化して分散安定化に寄与していることを明らかにすることができた。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] A.Oyane, M.Kawashita, K.Nakanishi, I.Kokubo, M.Minoda, T.Miyamoto, T.Nakamura: "Bonelike apatite formation on ethylene-vinyl alcohol copolymer modified with silane coupling agent and calcium silicate solutions"Biomaterials. 24(10). 1729-1735 (2003)