2004 Fiscal Year Annual Research Report
シーケンシャルマクロモノマーの精密合成を鍵とする機能性ナノ微粒子の創製
Project/Area Number |
15550184
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
箕田 雅彦 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (30229786)
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Keywords | シーケンシャルマクロモノマー / スチレン末端型マクロモノマー / リビングカチオン重合 / ビニルエーテル / 分散重合 / エマルション重合 / 単分散ポリマー微粒子 / 表面官能基 |
Research Abstract |
本年度は、ポリビニルエーテル(VE)を骨格とするメタクリレート(MA)末端型マクロモノマーを用いる温度応答性の機能性ポリマー微粒子の作製、ならびに、重合性末端基を異にするスチレン(St)末端型マクロモノマーの合成法の開発と微粒子作製への応用について検討し、以下の成果を得た。 MA残基含有開始剤とZnI_2を用いるメトキシエトキシエチルビニルエーテル(MEEVE)のリビングカチオン重合により、狭い分子量分布を有し末端官能基度Fn〜1.0のMA末端型マクロモノマーを合成した。本マクロモノマーは両親媒性を有すると共に、その水溶性は温度応答性を示した。本マクロモノマーとスチレンを混合して、アルコール/水混合溶媒中での分散共重合ならびに水中でのエマルション重合を行うことで、共にサブミクロンサイズの単分散球状ポリマー微粒子が得られた。生成した微粒子は水への良好な再分散性を示すと共に、その分散溶液は約80℃で微粒子が凝集沈降して明確な温度応答性を呈した。 St末端型ポリVEマクロモノマーの合成は、VE-HCl付加体/ZnI_2開始剤によるVE類のリビングカチオン重合により生成したリビングポリマー末端の官能基変換により行った。MEEVEの重合により生成したポリマーを酸性条件下、H_2Oでクエンチすることでアルデヒド末端基を導入し(Fn〜1.0)、分取GPCによる単離精製の後、NaBH(OAc)_3を用いて4-ビニルベンジルアミン(VBA)と還元アミノ化反応させてSt残基をポリマー末端に導入した。St末端基の導入率はFn〜0.8であり、還元アミノ化反応を精査した結果、アルデヒド末端ポリマーとVBAの2:1反応生成物の副成が示唆された。このSt末端型マクロモノマーを用いてアルコール/水混合溶媒中でStとの分散共重合を行うことで、平滑な表面からなる単分散球状ポリマー微粒子が作製できることを明らかにした。
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Research Products
(2 results)