2004 Fiscal Year Annual Research Report
高密度細胞培養を目的とした化学修飾マイクロキャリアの開発
Project/Area Number |
15550186
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
坂田 眞砂代 熊本大学, 工学部, 助手 (60187391)
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Keywords | 細胞増殖 / マイクロキャリア / マウスL細胞 / ポリカチオン / pKa / アミノ基 / 帯電アミノ基量 |
Research Abstract |
I.マイクロキャリアのミクロ構造および化学構造の再構築 前年度の結果をふまえて、種々のポリカチオン固定化セルロース粒子を細胞増殖用マイクロキャリアとして用い、通常の細胞培養法を用いて、同粒子の付着依存性細胞(マウスL-細胞)に対する細胞増殖能の評価を行った。 II.付着型細胞の細胞増殖能の評価 各種マイクロキャリアにおいて培養を行い、8日目の細胞増殖率を算出した。細胞の増殖性は、表面に導入したリガンドの種類だけでなく導入量の違いにも大きく影響を受けた。増殖率と各粒子のアミノ基量の関係を比較すると、同じリガンドであっても0.2meq/ml以下の導入量では増殖性の促進が見られるのに対し、導入量を高くすると逆に増殖性の抑制が見られた。また細胞増殖率とアミノ基導入量の相関は、ポリカチオンの種類によって異なった。 そこで、各種マイクロキャリアのアミノ基の導入量にpH7.5での解離度を乗じたものを、培地中での帯電しているアミノ基量として算出し、細胞増殖率との相関性を検討した。帯電アミノ基量は細胞増殖率との相関性が非常に高く、指標として重要であることがわかった。マイクロキャリアの帯電アミノ基量が0.02〜0.05meq/wet-mlで細胞の増殖率は最大値を示し、帯電アミノ基量が過剰量存在する場合では、細胞増殖率は極端に低下することがわかった。 III.マイクロキャリアの総合評価 種々のポリカチオン固定化セルロース粒子を細胞増殖用マイクロキャリアとして用いる場合、ポリカチオンの表面構造や化学構造の違いにより実際の粒子表面の帯電アミノ基量が異なった。このことが細胞の増殖性に強く反映されることが明らかになった。
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Research Products
(3 results)