2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15560001
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
真下 正夫 弘前大学, 理工学部, 教授 (30292139)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小豆畑 敬 弘前大学, 理工学部, 助教授 (20277867)
中澤 日出樹 弘前大学, 理工学部, 助手 (90344613)
佐々木 正洋 筑波大学, 物質工学系, 教授 (80282333)
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Keywords | 分子線エピタキシー / 半導体量子構造 / 化合物半導体 / 光・電子半導体デバイス / エピタキシャル成長機構 / 超格子 / InAs / GaAsヘテロ構造 |
Research Abstract |
GaAs/InAs/GaAs(111)A SQW構造のInAs井戸層の膜厚を変えたとき、InAs SQWからの低温PLスペクトルはInAs井戸層の膜厚が1MLから6MLに増大するとともにPLピークエネルギーは1.479eVから1.326eVに減少し、ピークの半値幅は増大している。また、ピーク強度もInAs井戸層の膜厚とともに減少し、特に3ML以上で急激に減少している。InAs層が厚くなることによってSQWの結晶性の劣化を示している。 次にSQW構造からのPLエネルギーの実験と理論の比較を行った。GaAs(111)A基板の上のInAs/GaAs SQWではピエゾ効果による電界とバンドギャップの歪効果を考慮しなければならない。pseudomorphicなInAs薄膜を仮定すれば、電子の遷移エネルギーはenvelope-functionによる近以を用いて計算することができる。その結果、歪のないInAs/GaAsヘテロ構造のバンド構造に対して、伝導帯のバンドオフセットΔE^O_cは1.101eV、価電子帯のバンドオフセットΔE^O_νは0.018eVとなる。歪効果を含めれば、pseudomorphicに歪んだInAsのバンドギャプエネルギーは0.765eVと計算される。歪みで補正したバンドオフセットはΔE_c=0.518eVおよびΔE^hh_ν=0.236eVと計算される。電子の有効質量はm_<e(InAs)>=0.027m_0およびm_<e(GaAs)>=0.067m_0であり、[111]方向の重い正孔の有効質量はm^<[111]>_<hh(InAs)>=0.92m_0およびm^<[111]>_<hh(GaAs)>=0.9m_0である^<6)>。これらの値を使って電子と重い正孔の基底準位間の遷移エネルギーを計算することができる。実験値1ML-SQW:1.47eV,2ML-SQW:1.43eV,3ML-SQW:1.41eV,6ML-SQW:1.36eV,に対し計算値は1ML-SQW:1.468eV,2ML-SQW:1.372eV,3ML-SQW:1.282eV,6ML-SQW:1.099eV,となった。すなわち、PLエネルギーの実験値は計算結果よりかなり大きい値である。この原因としてIn原子の成長中の再蒸発と界面でのInとGaの相互拡散が考えられる。
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