2003 Fiscal Year Annual Research Report
表面プラズモン増強ポッケルス効果を利用した近接場光学顕微鏡の作成と分極構造の観察
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15560002
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
梶川 浩太郎 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (10214305)
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Keywords | 近接場光学顕微鏡 / 表面プラズモン共鳴 / 非線形光学効果 / ポッケルス効果 / 電気光学効果 |
Research Abstract |
本研究の目的は、2次の非線形光学効果の一種であるポッケルス効果(1次の電気光学効果)を走査型近接場光学顕微鏡(NSOM)に適用し、メゾスコピック領域やナノ領域における非線形光学物性を知るための近接場光学顕微鏡を試作して自己組織化単分子膜などの超薄膜における微視的な分極構造を調べることである。ポッケルス効果により得られる屈折率変化は微小であるため、表面プラズモン共鳴(SPR)を用いて信号の増強をはかる。分極構造の観察を行うため、本年度は、近接場光学顕微鏡装置の設計と製作を行った。光源には650nmの半導体レーザーおよび543.5nmのHeNeレーザー利用した。SPRの励起には全反射減衰法を用いるため、その光学系をできるだけ小さく、かつ可動部分の少ない設計をして、実際にそれを作製した。実験で得られた反射率曲線によると入射角45度程度の入射角において、金の薄膜中のSPRによる入射光の強い吸収が生じることを確認することができた。ここで得られた知見は、本装置だけでなく、超小型のバイオセンサ装置などへの応用も考えられる。 顕微鏡装置の探針として、光ファイバをエッチングにより尖らせ、金を蒸着したものを用い、周波数ωの交流電界を印加して、ピエゾのスキャナによりx, y方向に操作できるような付加装置もあわせて作成し、それが動作することを確認した。また、試料として、非線形光学色素の一種であるヘミシアニンの自己組織化単分子膜を用いる予定であるが、その非線形光学定数を事前に光第2高調波発生の実験により評価した。
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Research Products
(1 results)