2004 Fiscal Year Annual Research Report
表面プラズモン増強ポッケルス効果を利用した近接場光学顕微鏡の作製と分極構造の観察
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15560002
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Research Institution | TOKYO INSTITUTE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
梶川 浩太郎 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (10214305)
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Keywords | 近接場光学顕微鏡 / 非線形光学効果 / 電気光学効果 / ポッケルス効果 / 自己組織化単分子膜 |
Research Abstract |
我々は表面プラズモン共鳴を用いて単分子膜レベルの薄膜試料でも分極構造が観察可能な走査型近接場光学顕微鏡を開発した。(以下走査型ポッケルス顕微鏡像と呼ぶ)この顕微鏡では2次の非線形光学効果の一種であるポッケルス効果(線形電気光学効果)を用いている。STMの探針のような鋭い金属探針に交流電場を印加するとその直下の試料では、2次の非線形分極が生じ屈折率が変化する。屈折率の変化量はわずか(10^<-6>程度)であり、電場が印加される領域は、金属探針のサイズ程度(φ10μm程度)と非常に狭く、対象とする薄膜はその膜厚が単分子膜程度(2mn厚程度)であるが、表面プラズモン共鳴を利用することにより、飛躍的に感度の改善が可能となり、この顕微鏡観察を実現している。この顕微鏡の特徴として(1)物質の分極構造を解明できる顕微鏡ツールであること(2)大出力のレーザーを必要としないこと、場合によってはインコヒーレント光源でも観察が可能なこと(3)項目(2)と関連するが、比較的容易に入射光の波長を変えることが可能であること(4)原理的には数nmのナノ領域における分極構造の観察が可能なことなどがある。我々が観察に成功したのは、40μm×40μmにパターニングした、色素単分子膜の走査型ポッケルス顕微鏡像である,SHG顕微鏡観察も同時に行っており、得られたデータの信頼性は確保されていると考えている。現在得られている分解能は10μmであるが、探針を鋭いものに変え、かつ、ピエゾなどを用いて操作機構を作製すれば、さらに分解能が高い近接場光学顕微鏡が得られると考えられる。
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Research Products
(5 results)