2003 Fiscal Year Annual Research Report
XAFS及びXMCDによるGaN系希薄磁性半導体の局所原子配位と磁性起源の研究
Project/Area Number |
15560007
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
江村 修一 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (90127192)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朝日 一 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (90192947)
|
Keywords | 稀薄磁性半導体 / XAFS / XMCD / GaN / ワイドギャップ半導体 / 希土類元素 / 遷移金属元素 |
Research Abstract |
GaNベースの稀薄磁性半導体、GaCrN、GaGdNについて磁性起源を探るための基礎データとして、XAFS(X-ray Absorption Fine Structure=X線吸収微細構造)スペクトルを観測し、そのスペクトルの解析結果からドープ元素であるCrとGdの周りの局所構造の同定を試みた。さらに、その結果をふまえてXMCD(X-ray Magnetic Circular Dichroism=X線磁気円偏光二色性)の観測も試みた。本研究課題の物質の室温での強磁性はすでに観測していることであるが、その起源がドープ元素のクラスター化(ナノスケールCrN or GdN)によるものなのか、あるいは完全固溶型によるものなのかによって、強磁性起源が異なり強いては材料設計に支障を起きたす。XAFS解析の結果、GaCrNに関しては次の結果を得た。-Cr濃度3%程度までCrはGaサイトを置換し、4.7%以上では局所的にCrN的なクラスターを形成していること。また、Crの価数は3価であり、Crはアクセプターとしては働かず、強磁性発現機構は2重交換相互作用による可能性の示唆。-一方、GaGdNについても、概ねGdがGaサイトに置換していることを確かめた。ただ、第一近接については両者とも複雑な様相を呈している。つまり、Nの空格子点あるいはひずんだ4配位構造といった局所構造をとっている可能性がある。 GaCrNでのCr k-shell、GaGdNのGd L-shellからのXMCD測定については、現在のところ良好なスペクトルは得られていない。これは、ともに光吸収がダイポール禁制に基づくゆえにシグナルが弱いためである。今後、ダイポール許容の軟X線領域で測定を行いたい。両試料について、紫外線励起による発光も観測した。特に、GaGdNにおいては、2価のGdによる発光を世界で初めて観測をした。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] M.Hashimoto et al.: "Local Structure of Rare-Earth-Doped Diluted Magnetic Semiconductor GaGdN"phys.stat.sol.(c). O-No.7. 2650-2683 (2003)
-
[Publications] H.Tanaka et al.: "Magnetic Properties of the Rare-Earth-Doped Semiconductor GaEuN"phys.stat.sol.(c). O-No.7. 2863-2868 (2003)