2004 Fiscal Year Annual Research Report
超高周波領域における液晶材料のEO効果に関する研究
Project/Area Number |
15560011
|
Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
能勢 敏明 秋田県立大学, システム科学技術学部, 教授 (00180745)
|
Keywords | 液晶 / ミリ波 / 屈折率測定 / 電気光学効果 |
Research Abstract |
本年度は、材料評価に関する検討およびCPW平板回路を用いた液晶セル構造の検討において成果が得られた。 これまで申請者らが検討してきた、導波管を用いた材料評価手法をさらに高い周波数帯であるWバンド(65GHz〜110GHz)まで拡張する試みを行った。測定セルの基本構造は同一であるが、周波数が高くなるため素子作製あるいは設置の精度が測定に大きく影響する。そこで、これまで測定試料を封止するために用いていたガラス窓に代えてテフロン窓を用いる事により不要なミリ波の反射が抑制され、測定データから直接複素屈折率を算出する手法を確立する事ができた。すなわち、本手法によって従来の数分の1の測定試料で十分な精度の評価が行える事を確認した。 また、CPW導波路基板とITOガラス基板を組み合わせて液晶セルを構成し、そのミリ波伝搬特性を評価を行った。ITO電極をフローテング電極として用いる事により、CPW基板側を低い電圧で駆動するのみで液晶の駆動が可能となるセル構造を見い出した。一方では、ITO電極の存在がミリ波帯での損失を大きくしてしまう事も実験的に明らかとなったが、現在のところ長さがわずか1cm程度の液晶伝搬長で15GHz程度において30°程度の位相変化が得られている。また、ガラス基板も特に高い周波数では損失が問題になることが分かり、通常の液晶セルとは異なる基板材料及び電極構造を検討する必要があることを明らかにした。 一方、EO効果を精密に計測するための微小信号測定システムを構築し、通常の液晶セルの透過光特性を評価してみた。まだ、高周波領域では確認できていないが、通常認識されている液晶の応答速度よりかなり高い周波数(10kHz程度)までEO変調信号が確認され、今後の新しい液晶デバイス応用を期待させる有用な知見が得られた。
|
Research Products
(5 results)