2004 Fiscal Year Annual Research Report
高濃度イオン注入炭化シリコン非晶質層の再結晶化と不純物効果の解明
Project/Area Number |
15560012
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
佐藤 政孝 法政大学, イオンビーム工学研究所, 教授 (40215843)
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Keywords | 炭化シリコン / イオン注入 / 非晶質層 / 電気的活性化 / 再結晶化過程 |
Research Abstract |
1.高濃度イオン注入炭化シリコン層の再結晶化 高濃度のリンおよびアルミニウムイオン注入によって炭化シリコン表面にイオン注入非晶質層を形成した。この形成された非晶質層の再結晶化過程は、活性化エネルギー3.4eVにしたがって再結晶化過程が進行することを明らかにした。この活性化エネルギーは不活性ガスであるアルゴンをイオン注入したイオン注入非晶質層と同等のエネルギーであり、不純物に依存しないことを明らかにした。 リンおよびアルミニウム濃度が1x10^<20>から1x10^<21>cm^<-3>の範囲において、再結晶化速度が濃度とともに増速する現象を見出し、再結晶化速度は最大5倍程度まで増速することを明らかにした。 さらに高濃度の窒素イオン注入をおこなった炭化シリコンイオン注入層の再結晶化過程を検討した。この場合、イオン注入層は非晶質化しない。欠陥の消滅は200度と低温でも進行し、450から600度の熱処理範囲において、欠陥の消滅が顕著に進行することを明らかにした。600度以上の熱処理ではほとんどの欠陥は速やかに消滅する。このことから、昇温イオン注入が500度程度で実施されている現状とよい一致を見た。 2.イオン注入層の非晶質化と不純物の活性化過程 イオン注入された炭化シリコン層が非晶質化している場合、イオン注入不純物は非晶質層の再結晶化過程においてすでに格子位置を置換し、1000度程度の熱処理において電気的に活性化することを明らかにした。また、前記と同様にリン不純物濃度の範囲において、熱処理を1700度において実施した。得られたキャリア濃度はイオン注入不純物量の約10%前後であり、イオン注入層が非晶質化している場合、イオン注入不純物は高い活性化率で電気的に活性化することを明らかにした。炭化シリコンへのイオン注入による不純物ドーピングにおいてイオン注入層の非晶質かはイオン注入不純物の効率的な電気的活性化に効果的であることを明らかにした。
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