2003 Fiscal Year Annual Research Report
化合物半導体上に形成された原子-有機分子細線の構造及び電子状態の研究
Project/Area Number |
15560018
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
福田 安生 静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (30208970)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下村 勝 静岡大学, 電子工学研究所, 助手 (20292279)
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Keywords | GaP(001) / InP(111) / 表面 / 原子細線 / 分子細線 / パッシベーション / 電子分光 / STM |
Research Abstract |
GaP(001)2x1表面上にInの原子細線が形成されることを見出した。この原子細線を電極とみなしてこの細線間に有機分子を架橋して、その物性を調べるためにGaP(001)2x1構造を原子レベルで詳細に調べた。又、GaP(001)2x4表面上の微細構造に有機分子を吸着させ、原子-有機分子細線を形成するために、表面構造をSTM(走査トンネル顕微鏡)及び放射光電子分光(SRPES)を用いて詳細に調べた。実用的なデバイス応用を考えると表面のパッシベーションも必要であることから、硫黄による表面のパッシベーションの研究も行った。以下にこれまでに得られた結果を列挙する。 (1)高分解能電子エネルギー損失分光(HREELS)、STM、SRPESの結果より、GaP(001)2x1表面はP-Pダイマーの一つに水素が互い違いに吸着し、ジグザグ構造をとることを明らかにした。 (2)GaP(001)2x4構造をSTM、角度分解SRPES、及びSR光電子回折(PED)で調べた結果、InP(001)2x4表面と同様な構造、即ちP-Gaミックスダイマー構造をとることを明らかにした。 (3)InP(111)A表面を硫黄でパッシベーションすると(2x2)構造をとり、表面に微細な6角形の窪みを形成することを見出した。この微細構造は将来テンプレートとして、利用することが出来るであろう。 (4)GaP(001)表面をチオウレア、S2C12、P2S5を用いてパッシベーションを行った。これらによって、表面に約1モノレーヤの硫黄原子が吸着することを見出した。 (5)GaP(001)2x4表面はバンドベンディングが1.9eVあり、その表面を(NH4)2Sxでパッシベーションを行うと、フラットバンドが形成されることを電子分光を用いて、明らかにした。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Y.Fukuda, H.Kumano, H.Nakamura: "Fabrication of a P-stabilized InP(001) surface at low pressure and temperature using t-butylphosphine (TBP)"Surface Science. (in press).
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[Publications] Y.Suzuki, N.Sanada, M.Shimomura, Y.Fukuda: "High-resolution XPS analysis of GaP(001), (111)A, and (111)B surfaces passivated by (NH4)2Sx solution"Applied Surface Science. (in press).
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[Publications] K.Z.Liu, Y.Suzuki, Y.Fukuda: "Surface analysis of (NH2)2CS-treated GaP(001) by AES and XPS"Surface and Interface Analysis. (in press).