2003 Fiscal Year Annual Research Report
微細構造ファイバーによる超広帯域光波発生の実験・理論的研究
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15560034
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Research Institution | Chitose Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
唐澤 直樹 千歳科学技術大学, 光科学部, 助教授 (00337099)
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Keywords | 超広帯域光波 / 微細構造ファイバー / テーパーファイバー / 光学結晶ファイバー / 超短光パルス計測 / 光パルス非線形伝搬 |
Research Abstract |
本年度の研究として、実験的には微細構造ファイバーの一つであるテーパーファイバーを用いて自己位相変調による超広帯域光波発生を行い、それにより発生された光波の位相と振幅の測定を行った。この測定のため、相互相関型周波数分解光ゲート(XFROG)装置を試作した。実験の結果、最細部の半径が1μmのテーパーファイバーに波長810nm、パルス幅50fsのチタンサファイアレーザーからの光パルスを伝搬させたときに発生した超広帯域出射パルスの位相と振幅の測定をこのXFROG装置により行うことができた。このとき、入射パルスのピークパワーを1.6kWから8.3kWまで変化させながら位相振幅測定を行い、出射パルスの位相と振幅の入射パルスピークパワー依存性を求めた。理論的には、第一に上記の実験の結果を正確な伝搬計算結果と比較することを行った。このため、従来のような緩包絡波近似を用いない周波数領域差分法(FDFD)のプログラムにテーパーファイバーの分散特性を取りこむ変更を行った。またテーパーファイバーにおいて、その半径が長さ方向に変化している影響を計算に正確に取りこむため、テーパー形状を階段状に近似し、それぞれの半径でテーパーファイバーの分散特性を用いるという方法を新たに考案した。これに更にテーパーファイバーの通常ファイバー部分および対物レンズなどによる分散を取りこむ計算を行うことにより、実験結果にかなり良く一致する計算結果が得られることがわかった.理論的な検討として第二に、微細構造ファイバーにおける誘起位相変調効果の計算を行った。このとき、テーパーファイバー及び光学結晶ファイバーに波長810nmの基本波パルスと波長405nmの第二高調波パルスを同時伝搬させる計算を行い、実験が可能で超広帯域光波が最も効率良くおきる条件に関する多くの知見を得た。
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