2005 Fiscal Year Annual Research Report
微細構造ファイバーによる超広帯域光波発生の実験・理論的研究
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15560034
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Research Institution | Chitose Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
唐澤 直樹 千歳科学技術大学, 光科学部, 助教授 (00337099)
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Keywords | 超広帯域光波 / 超短光パルス / 微細構造ファイバー / 非線形ファイバー光学 / 誘起位相変調 / 非線形伝搬計算 |
Research Abstract |
本研究の目的は第一に誘起位相変調効果を微細構造ファイバーに応用してなるべく低ピークパワーの光パルスで超広帯域光波を発生させること、第二に誘起位相変調効果を用いてスペクトル波形・時間波形の制御及びその理論計算と実験の比較を行うことである。平成17年度は平成16年度に引き続き、チタンサファイアレーザー発振器からの基本波パルスとその第二高調波パルスを微細構造ファイバーに同時伝搬させる実験を行った。ファイバーとしては前年度の実験により最大の広帯域化が観測されたコア直径が1μmのフォトニック結晶ファイバー(PCF)を用い、より長い220mm長のものも用いた。実験結果として220mm長のPCFを用いた場合、基本波パルスのみの伝搬で340nmから1600nmにわたる超広帯域光波の発生が観測され、特に従来ほとんど報告されていない紫外域のパルスの発生が見られた。また入射パルスのチャープを変化させることによりスペクトルの特定のピーク波長が変化することが観測された。また、第二高調波との同時伝搬も行い、スペクトルの遅延時間依存性の実験においてある遅延時間でスペクトルの特定のピーク波長が変化することが観測された。コア直径が1μmのPCFの分散特性を用いた理論計算を行うことにより、ファイバー中で基本波パルスはソリトン分裂により基本ソリトンパルスとなり、紫外光の発生はこの基本ソリトンパルスから生じる位相整合された分散波であることにより説明された。また第二高調波パルスの影響で基本ソリトンパルスが生じるタイミングが変化することがわかり、このためこの基本ソリトンに対応するスペクトルのピーク波長だけが変化することが実験との比較により確認された。さらに入射パルスのチャープによっても同様にソリトン分裂のタイミングの変化が起こることも示唆された。
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Research Products
(2 results)