2003 Fiscal Year Annual Research Report
光量子干渉効果を利用した極限超解像光リソグラフィー
Project/Area Number |
15560036
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Research Institution | Tokyo Polytechnic University |
Principal Investigator |
渋谷 眞人 東京工芸大学, 工学部, 教授 (10339799)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾松 孝茂 千葉大学, 工学部, 助教授 (30241938)
大木 裕史 (株)ニコンコアテクノロジーセンター画像技術開発部, ゼネラルマネジャー
江崎 ひろみ 東京工芸大学, 工学部, 助教授 (90213545)
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Keywords | 超解像 / 量子光学 / 光リソグラフィー |
Research Abstract |
2光子吸収レジストにエンタングルドフォトンを照射して超解像を得る方法では、照度を上げた場合に所望の理想的なエンタングルドフォトン以外の光子状態が発生して、像コントラストを下げてしまう問題があることを明確にした。次に我々は、実用的な照度が得られるようにコヒーレント光で超解像ができる方法を考案した。コヒーレント光を偏光ビームスプリッターに入射させ、二つの直交する直線偏光(P偏光とS偏光)に分離する。この二つのビームを偏光選択性のある2光子吸収レジスト上に照射させることで、超解像を得るというものである。レジストメカニズムは以下のように考えることができる。レジストの光吸収反応において、基底状態から励起状態のへの2光子吸収過程が二つあり、各過程が異なる直線偏光の吸収反応ならば、二つの過程で作られた励起状態の電子の波動関数の間で干渉が起こり、このため超解像が達成できる。以上の内容については、2003年7月にNGLC2003、9月に日本物理学会で表し、2004年4月に学術雑誌NonlinerOpticsに掲載の予定である。 コヒーレント光と偏光選択性2光子吸収レジストによる超解像の実用的な解を模索中である。上記の反応を起こす物質としてCuCl結晶が知られているが、レジストとして適当な材料がないか、レーザー照射による実験検討を行っている。今年度はアゾ系色素を用いて2光子吸収による超解像パターンニングを行ったが、顕著な2光子吸収は見られなかった。来年度はKPFLR-Y200N(関西ペイント)を用いて2光子吸収による超解像パターンニングを行う。装置構成上の実用解についても検討していく。 また従来提案されている2光束の干渉は装置構成上も実用的ではない。そこで、パターンと像とを共役にした場合にエンタングルドフォトンと2光子吸収レジストで超解像が得られるかの基本的な考察を行った。これについては、2003年7月にNGL2003で発表した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Hiromi EZAKI, Masato SIBUYA: "Super-resolution by polarization-dependent two-photon absorption in optical lithography"Nonlinear Optics. 未定. (2004)
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[Publications] T.Omatsu, M.Sugiyama.S.Inazawa, A.Takami, M.Tateda, S.Koda: "Diffraction efficiency of holographic grating formed in Au nano-particles doped Sol-Gel silica film by laser irradiation"Jpn.J.Appl.Phys.. 42巻. 1288-1289 (2003)
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[Publications] T.Watanabe, Y.Iketaki, T.Omatsu, K.Yamamoto, S.Ishiuchi, M.Sakai, M.Fujii: "Two-Color Far-Field Super-Resolution Microscope using a Doughnut Beam"Chem.Phys.Lett.. 371巻No5・6. 634-639 (2003)
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[Publications] T.Hirose, T.Omatsu, R.Kato, K.Hoshino, K.Harada, T.Watanabe, M.Fujii: "Azo-benzene polymer thin-film laser amplifier with grating couplers based on light-induced relief hologram"Opt.Commun.. 228巻No.4-6. 279-283 (2003)
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[Publications] T.Watanabe, Y.Iketaki, T.Omatsu, K.Yamamoto, M.Sakai, M.Fujii: "Two-point-separation in super-resolution fluorescence microscope based on up-conversion fluorescence depletion technique"Optics Express. 11巻No.24. (2003)