2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15560039
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
中村 健太郎 東京工業大学, 大学院・精密工学研究所, 助教授 (20242315)
|
Keywords | 音響管 / 音響インピーダンス / 地中探査 / 定在波 / 定在波比 / 音響エネルギー / 地中レーダー / 可視化 |
Research Abstract |
本研究は、トンネル内壁や橋げた・ビルディング壁面などの崩落予測、あるいは対人地雷の検知などを目的に、対象物表面付近の状態を音響的に検査する技術に関するものである。 物体の比較的表面付近の音響的性質を調べるためには、表面への音響エネルギーの流れ方、複素音響インピーダンスの周波数特性を測定することが有効と考え、本研究ではこれを非接触で実現する測定方式を考案している。すなわち、細い音響管の開口部を被測定面に近接させることで、開口部から放射された音響エネルギーが物体表面にしみ込む様子を音響エネルギー流れ量および音響インピーダンス変化から測定する方法を検討した 本年度は、音響管上部に音源としてスピーカを配置し、コンデンサマイクロホンによって、音響管内の定在波分布を測定する装置を考案・試作した。被測定物の音響的性質により、定在波分布の様子が変化することを実験的に確認した。可聴域で実験を行い、定在波分布の定在波比、節位置などを考慮することで、砂や土に埋めたプラスチック容器やPETボトルを検知することに成功した。埋設深さと検知感度の関係、空間分解能などを実験的に検討した。また、この音響管を2次元的に走査することで、埋設状態を可視化する実験を行った。本方式は音響的性質の変化を検出しているので、電磁方式やマイクロ波地中レーダーとは異なった情報が得られていると考えられる。 今後は、検出感度の向上をはかると同時に、音響管開口部と被測定面の間隔変化に鈍感な検出方式を開発する予定である。また、検出速度を向上するためにアレイ化についても検討する必要がある。
|