2003 Fiscal Year Annual Research Report
Bi-2212単結晶を用いたSISナノアレイ型高周波ミクサの開発
Project/Area Number |
15560040
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
濱崎 勝義 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (40143820)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
王 鎮 独立法人, 通信総合研究所・超伝導エレクトロニクス・グループ, グループリーダー (70359090)
石黒 孝 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (10183162)
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Keywords | Bi-2212単結晶 / 自己フラックス法 / 固有ジョセフソン接合 |
Research Abstract |
平成15年度は、これまでの結晶合成工程を著しく簡単化した新しい自己フラックス法を用い、高品質・大面積の単結晶作製技術の開発を進めた結果、Tc,zero=89Kの高品質Bi-2212単結晶を再現性良く合成する技術を確立できた(Journal of Crystal Growth 259(2003)pp.85-89に論文掲載)。また、光露光法・Arイオンミリング法を用いて単結晶を加工し、メサ型デバイスを試作した。作製された素子は明瞭なブランチ構造をもつBi-2212固有ジョセフソン特性を示した。この素子の臨界電流の磁場、及びマイクロ波電力依存性を調べた結果、良好なジョセフソン特性を示すことを見出した。得られた結果の一部は、平成15年10月に開催されたISS国際会議(於:つくば市)で発表している(Physica Cに掲載予定)。ところで、Bi-2212固有ジョセフソン素子の実用化のためには、素子加工技術の一貫として絶縁層を形成する工程も重要であるが、今年度の研究過程において、Bi-2212単結晶を絶縁層へ改質させる新しい手法を見出した。現在、この表面改質法をデバイス作製に応用するプロセスを検討中である。 また、ジョセフソン特性におけるリターン電流の温度依存性について、これまで報告されていない興味深い特性を見出した(論文投稿準備中)。この特性はBi-2212固有ジョセフソン接合の障壁層の物性を知る上で極めて重要な知見であり、現在、詳細な解析を進めている。さらに、メサ素子のショットノイズ測定のための周辺マイクロ波ストリップ線路(アンテナ、IFフィルター等)を設計し、購入したネットワークアナライザ(Anritu社製:56100A;10MHz-110GHz)で特性を評価している。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] H.Ishida, K.Okanoue, H.Funabiki, K.Hamasaki: "Simple growth technique of Bi2Sr2CaCuOy single crystals and transport characteristics of intrinsic Josephson junctions"Physica C. (印刷中). (2004)
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[Publications] H.Funabiki, K.Okanoue, C.Takano, K.Hamasaki: "Growth conditions and characterization of Bi2sr2CaCuOy single crystals"Journal of Crystal Growth. 259. 85-89 (2003)
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[Publications] A.Saito, H.Ishida, A.Irie, A.Kawakami, Z.Wang, G.Oya, K.Hamasaki: "Temperature Dependence of the Low-frequency Noise Properties in Bi2Sr2CaCuOy Intrinsic Josephson Junctions"IEEE Trans.on Applied Superconductivity. 13. 904-907 (2003)