2004 Fiscal Year Annual Research Report
非線形非凸計画問題に対する大域的・発見的ハイブリッド算法の研究
Project/Area Number |
15560048
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
久野 誉人 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 助教授 (00205113)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉瀬 章子 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 助教授 (50234472)
|
Keywords | 数理計画法 / 大域的最適化 / 非線形計画問題 / 非凸計画問題 / 分枝限定法 |
Research Abstract |
生産輸送問題は,生産費用と輸送費用を同時に最適化する単純なサプライチェインモデルである.しかし,規模の経済の働きを考慮すれば,多数の局所解が存在する非凸最適化問題となる.これまで,生産関数は各工場ごとの凹関数の和となることを仮定して算法が提案されてきたが,工場間での原材料の融通を考えると,この仮定は現実的とは言いがたい.そこで分離可能性を仮定せず,限定操作を工場と倉庫数の低次多項式時間で行う矩形分枝限定法を開発した.この限定操作で得られる最適値の下界値は従来よりも劣るが,処理速度は格段に優れており,総計算時間は大幅に改善されることが計算実験によって確認された.研究成果をまとめた論文は,Journal of the Operations Research Society of Japanに採択された. 生産輸送問題に用いた限定操作のアイデアは,そこで解かれる緩和問題の実行可能領域を矩形に拡げることで緩和問題の処理速度を上げることにある.しかし,これによって下界値が劣化するため,より一般の非凸最適化問題に適用するには下界値の強化手続きが必須である.そこで,ラグランジュ緩和を利用して下界値強化を行う二段階限定操作を備えた汎用矩形分枝限定法を開発した.下界値強化手続きは,非凸関数に含まれる変数の数の二乗の時間で行うことができるため,限定操作に掛かる手間をほとんど変えることなく,強力な下界値を得ることができる.計算実験では,既存算法よりも遥かに効率よく大域的最適解の得られることが確認された.研究成果をまとめた論文は,Pacific Journal of Optimizationに採択された.
|
Research Products
(4 results)