2004 Fiscal Year Annual Research Report
超LSI信頼性確保を目的とした微細金属薄膜配線の高密度電子流による断線故障予測法
Project/Area Number |
15560058
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
笹川 和彦 弘前大学, 理工学部, 助教授 (50250676)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂 真澄 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20158918)
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Keywords | 電子パッケージ / エレクトロマイグレーション / 金属薄膜配線 / 断線故障 / バンブー配線 / 保護膜 / 数値シミュレーション / 支配パラメータ |
Research Abstract |
本年度は最終年度であり,以下の二項目の研究を実施して,本研究の目的達成を図った。 1.断線過程の数値シミュレーション開発(笹川・坂) 最近の超LSIにおいては配線構造の多層化が進み,上下層配線の接続のため,その両端がビアなる柱状端子で接続された微細配線が多用されるようになっている。このような配線構造においては,エレクトロマイグレーション(EM)に伴い配線内の原子濃度に分布が生じ,この作用によって配線損傷に対する電流密度のしきい値が存在することが知られている。これを超えた電流密度が作用すると,配線陰極端からボイドが発生・成長して断線に至るが,超えなければ配線損傷は生じない。EM損傷の支配パラメータを用い,バンブー構造配線内の原子濃度分布形成の数値シミュレーション手法を開発し,しきい電流密度の評価法構築に成功した。この評価法は直線配線のみならず実用で多用される折れ曲がる配線などの二次元形状を呈する配線にも適用を可能にした。 2.予測法の実験検証(笹川・坂) ビア接続構造を模擬した保護膜被覆アルミ・バンブー配線を対象として,原子濃度分布の数値シミュレーションに基づいたしきい電流密度の評価法を適用した。長さの異なる2種類の直線状配線と,それに加え折れ曲がった配線を対象とした。その一方で同様な形状の配線を用いて加速通電実験を行い,実験的にしきい電流密度を求めた。直線状配線のしきい電流密度に関しては配線長さに反比例するという評価結果が得られ,また折れ曲がった配線のしきい電流密度は直線状のそれよりも大きくなるという評価結果が得られた。実験においても評価結果と同様な結果が得られ,本評価法の有効性を検証した。また,折れ曲がった配線などの配線の二次元形状がEM損傷のしきい電流密度に影響を及ぼすことを明示し,半導体デバイスの信頼性確保に対し極めて重要な知見を得た。
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Research Products
(6 results)