2003 Fiscal Year Annual Research Report
薄膜被覆磁気ディスクとヘッド間の摺動接触摩耗メカニズムの解明
Project/Area Number |
15560066
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
五嶋 孝仁 富山大学, 工学部, 教授 (80109107)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 理能 富山大学, 工学部, 助手 (30313589)
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Keywords | 熱応力 / 弾性接触問題 / トライボロジー / 摩擦摩耗 / 磁気ディスク / 被覆ディスク / ハードディスク |
Research Abstract |
1.回転移動摺動接触を受ける被覆板の非定常熱応力の解析 摩擦熱を伴う回転移動摺動接触を受ける被覆板について,非定常温度並びに非定常熱応力の厳密解を熱弾性論により解析した.解析はまず,瞬間熱流入による温度および熱応力解を求め,その解をグリーン関数として,任意時間まで回転移動した場合の非定常温度および熱応力の厳密解を求めた.得られた厳密解をもとにまず手始めに非定常温場の数値計算を行った.種々の被覆材料を例にとり温度分布の時間的変化を数値的に明らかにした.実際の磁気ディスクに対応したモデルでの計算結果によれば,板厚方向には急激な温度勾配は見られず,温度の大きさは主に被覆材の熱伝導率に大きく左右されることが明らかとなった.また非定常熱応力については得られた厳密解をもとに,現在ソフトウエアを構築中である. 2.被覆材表面き裂の応力拡大係数とき裂進展についての破壊力学的解析 一般に複数の表面き裂を有する被覆材が繰り返し摺動接触を受ける場合の応力拡大係数を解析し,き裂進展について数値的に明らかにした。その結果,き裂が接近するに従い相互干渉により応力拡大係数は小さくなり,この干渉効果は被覆材料の種類や摩擦係数,熱流入強さおよび被覆厚さによって大きく影響を受けないが,き裂長さが異なる場合には,短い方のき裂に大きな干渉効果が見られることなどを明らかにした. 3.ディスク・ヘッド摩擦摩耗試験装置の試作 CSS方式のディスク媒体とヘッドに関する相似モデルについて,摩擦係数や摩擦熱をも正確に計測できる摩擦摩耗試験機を製作するために,モーター,ロードセル,アクチュエーター,各種フレームなど,必要パーツを準備し,試験機の組み立てが終了した.今後,稼動調整を行い本格的にデータをとっていく予定である.
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