2004 Fiscal Year Annual Research Report
薄膜被覆磁気ディスクとヘッド間の摺動接触摩耗メカニズムの解明
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15560066
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
五嶋 孝仁 富山大学, 工学部, 教授 (80109107)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 理能 富山大学, 工学部, 助手 (30313589)
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Keywords | 熱応力 / 弾性接触問題 / トライポロジー / 摩擦摩耗 / 磁気ディスク / 被覆ディスク / ハードディスク / き裂 |
Research Abstract |
1.被覆ディスク・ヘッド類似モデルの摩擦摩耗試験の実施 被覆磁気ハードディスクと常時接触方式のヘッド間の摩擦摩耗現象を解明するために,その類似モデルに関する摩擦摩耗試験を行った.被覆磁気ハードディスクの類似モデルとして厚さ1mmのアルミ円板表面に銅並びにチタンをスパッタリングした2種類の試験片について,ヘッドをステンレス製の球形ピンでモデル化し,昨年度試作した試験機を用い,いわゆるピンオンディスク摩擦摩耗試験を行った.ピンに取り付けた水平棒に貼ったひずみゲージにより摩擦係数を測定し,ピンの先端付近に埋め込んだ熱電対により摩擦熱による温度を測定した.その結果,銅並びにチタンをスパッタリングした被覆ディスクの摩擦係数は約0.6並びに約0.5という値がえられた.また,ピン先端近傍の温度測定の結果より,発生した摩擦熱は2接触物体に熱伝導率の比で分配伝達されることや,定常温度と摩擦係数の値の比がほぼ一定になることから定常温度の値によって摩擦係数を推測できる可能性を示唆した. 2.回転移動摺動接触を受ける被覆板の機械的応力並び非定常熱応力の解析 昨年度理論解析によって求めた解析解に基づき計算ソフトウエアを構築し,実験で得られた摩擦係数と摩擦熱による加熱を用い,実際に被覆ディスクに生ずる機械的応力分布と非定常熱応力を数値的に明らかにした.その結果,円周および半径方向熱応力は接触部直下の接合面基材側で最大の圧縮応力を示し,ディスク裏面で最大の引張応力を示す.また,接触荷重による応力は厚さ方向の圧縮応力がほぼ一様分布で最も大きくなり,摩擦力によるせん断応力は表面で最大となることなどを明らかにした. 3.被覆材表面き裂の応力拡大係数とき裂進展についての破壊力学的解析 基材がアルミで被覆材が銅並びにチタンの場合について,被覆材表面に複数き裂がある場合の応力拡大係数を破壊力学的に解析した.その結果,き裂が接近するに従い相互干渉により応力拡大係数は小さくなり,この干渉効果は被覆材が銅とチタンの場合ではほとんど影響を受けないことを明らかにした.
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Research Products
(1 results)