2004 Fiscal Year Annual Research Report
破面接触を考慮した残留応力下の疲労き裂進展寿命予測とフラクタル解析による定量評価
Project/Area Number |
15560072
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
辻 昌宏 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10132630)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 司郎 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20107139)
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Keywords | 疲労き裂進展 / 破面接触 / フラクタル解析 / SPM / 実効応力比 / 残留応力 / き裂進展シミュレーション |
Research Abstract |
本年度は,残留応力材に対する実験を行う予定であったが,フラクタル解析がまだ不十分と判断されたため,それを行わず,去年度に引き続き基礎的データの収集を図った.すなわち,高張力鋼の二次元無残留応力試験片に対するフラクタル解析を行った.比較のため,他の材料に対するフラクタル解析も行った.また,破面の弾性接触を考慮した三次元斜め疲労き裂進展シミュレーションも行った. (1)高張力鋼HT材から残留応力が存在しない二次元疲労き裂試験片を作成し,残留応力と等価な平均応力を負荷する疲労き裂進展実験を行った.その破面に対し,昨年度と同様にBox Counting法を用いてフラクタル解析を行った.その結果,破面にフラクタル性が認められ,また,応力比Rの増加に伴いDが小さくなる相関関係が存在することが解った.同様に,応力拡大係数幅ΔKとDの関係も調べ,ΔKの増加に伴いDが減少する結果を得た.しかし,それらの依存性は小さなものであり,寿命推定に用いるには多少の難があると判断される.更なる研究が必要と思われる.また,それに伴い種々の破面に対するフラクタル次元刀の収集も必要と考えられる. (1:追加)^+過去に行われていたSUS304材に対する真空中及び大気中における高温疲労き裂進展試験の試験片破面に対し,フラクタル解析を行った.その結果,環境及び温度に対して,それらの破面のDは,かなり明瞭な相関を持つことが解った.これらの結果は,機械学会で発表する予定である. (2)残留応力場中の三次元斜め表面き裂及び円孔に向かう斜め隅き裂に対し,破面接触を考慮した場合とそうでない場合のき裂進展シミュレーションを試みた.その結果,破面接触によりき裂前縁各点の疲労き裂進展速度および方向が変化し,必然的にき裂前縁形状も変化することが示唆された.これらの結果は,機械学会材料力学部門講演会にて本年度発表した.
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Research Products
(2 results)