2004 Fiscal Year Annual Research Report
表面改質と組識調整による疲労特性及び応力腐食割れ特性の改善
Project/Area Number |
15560077
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
皮籠石 紀雄 鹿児島大学, 工学部, 教授 (00117491)
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Keywords | マルエージング鋼 / 組織調整 / 逆変態オーステナイト / 表面改質 / 大気湿度 / 破壊機構 |
Research Abstract |
I.組織調整による疲労強度改善について 時効条件を変えることにより、硬さと逆変態オーステナイトの量を0vol.%と10vo1.%に制御した18%Niマルエージング鋼を用いて回転曲げ疲労試験を行い、疲労き裂の発生と伝ぱに及ぼす湿度(25%と85%>の影響、さらにそれに及ぼす逆変態オーステナイトの影響を検討した。得られた主な結論は以下の通りである。(1)湿度の上昇により疲労強度は低下したが、低下の程度はγ=0%材の方が大きかった。(2)湿度による疲労強度の低下は、き裂発生と伝ぱのいずれも速くなることに起因している。特にき裂発生に対する湿度の影響は大きい。(3)湿度が高い場合き裂の発生数は増加した。(4)高湿度の場合、γ=0%材の破面には粒界割れが観察された。このことがき裂伝ぱが加速された要因のひとつである。(5)き裂発生箇所は、γ=0%材では旧オーステナイト粒界であり、γ=10%材では粒内であった。(6)逆変態オーステナイトを生成させれば、湿度によるき裂発生および伝ぱへの影響は減少した。(7)逆変態オーステナイトを生成させれば、高湿度であっても粒界割れは抑制された。 II.表面改質による疲労強度改善について 疲労強度に及ぼす窒化時間の影響を調べ、次のような結論を得た。(1)窒化時間の増加に伴い硬化層は深くなった。(2)長寿命域では、疲労寿命に対する窒化時間の影響はほとんどない。(3)長寿命域では、0.5h材を除きすべての窒化材で内部破壊した。(4)内部破壊の起点は硬化層より内部の介在物であり、窒化時間の影響はない。(5)硬化層はき裂発生に対する抑制効果とき裂伝ぱに対する加速効果を有する。
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Research Products
(2 results)