2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15560079
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
高橋 邦弘 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (60095619)
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Keywords | 極性物質 / 熱極性物質 / 熱伝導 / 熱的はり理論 / マイクロモードマテリアル / 熱モーメント / 熱バイモーメント / St.Venantの原理 |
Research Abstract |
本研究の主題である熱極性物質の概念は,当研究室において提案されたものであるが,その基礎を原子の運動により確認したことが第一の成果である.本年度はさらにこれを拡張し熱的マイクロモードマテリアルなる概念を導入した. 熱的マイクロモードマテリアルとは,熱極性物質を包含する概念であり,物質の内部の小領域dvに直線的な温度分布を設定するだけではなく,内部にある分布をもつ温度分布を許容する概念である.小領域内部を更にいくつかの領域に分割し,その分割に応じた数の固有モードを与えてこれを表現する. この考え方の下に,エネルギー方程式,熱モーメント方程式ならびに熱バイモーメント方程式を導出した.この過程で熱モーメントの概念が導出される.このモーメントは力学的モーメントとは異なり,単独で釣り合うことのできる量である.この点に関し熱的なSt.Venantの原理を新たに提唱した。熱モーメントに加え,熱バイモーメントなる量の存在も理論的に要請される.この概念はこれまで見出だされていないが,薄肉構造におけるバイモーメントの概念を熱的な概念に広げたものといえる.この量に関しても熱的St.Venantの原理が成立する. 熱流束,熱モーメント流束あるいは熱バイモーメント流束に対応する構成式の一般形を導出し,そこに現われる材料定数につき検討を行なった.例として取り上げたモデルは一方向繊維で強化された複合材料あるいは,光ファイバーのような内部構造をもつ1次元材料に対応している.通常の有限要素法により,ある境界条件における熱伝導計算を行ない,マイクロモードマテリアルとみなした場合の材料定数を算出した.マイクロモードマテリアルなる概念によって,内部構造を有する1次元部材の熱的応答を,従来よりも厳密に表現できることを確認した.
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Research Products
(1 results)
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[Publications] K.Takahashi, Y.Yasui, M.Nakane: "Altomistic Foundation of Solid Mechanics and Thermomechanics"European Solid Mechanics Conference (5th ESMC), Thessaloniki. 5th. 264 (2003)