2003 Fiscal Year Annual Research Report
低エネルギー放射光による薄膜界面近傍の残留応力測定
Project/Area Number |
15560083
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Research Institution | Musashi Institute of Technology |
Principal Investigator |
秋田 貢一 武蔵工業大学, 工学部, 助教授 (10231820)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
萩原 芳彦 武蔵工業大学, 工学部, 教授 (70061546)
大谷 眞一 武蔵工業大学, 工学部, 教授 (80120864)
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Keywords | 薄膜 / 残留応力 / 界面応力 / シンクロトロン放射光 / X線応力測定 / Cu |
Research Abstract |
低エネルギーのシンクロトロン放射光を用いて,Cu薄膜の深さ方向残留応力分布測定を試みた.測定した回折線は,Cu220およびCu310であり,用いた放射光のエネルギーは,それぞれの回折面に対して,4.98keVおよび5.84keVとした.本研究では,放射光を試料に照射する角度を種々に変えることにより,試料への放射光の侵入深さを制御し,種々の深さまでのひずみデータを取得する.次いで,得られたデータにフィットするような深さ方向残留応力分布を最適化理論を用いて推定する.この方法をCu薄膜に適用した.また,以上から得られた残留応力と,従来からのX線応力測定法であるsin^2ψによって測定した残留応力との比較も行った.本年度得られた成果を以下に示す. (1)本研究で用いている深さ方向残留応力解析法では,応力分布の関数形を推定する必要がある.そこで,応力分布を直線,2次曲線,および3次曲線と仮定して,実験データ(2θ-sin^2ψ線図)にフィットする応力分布を求め,その結果から関数形を決定できることを示した. (2)2種類の回折線を用いて解析した結果,両者の深さ方向の応力分布は等しかった.したがって,求められた薄膜の深さ方向の応力分布は妥当である. (3)今回用いた方法により求めた残留応力とsin^2ψ法により求めた残留応力は大きく異なった.特に,薄膜と基板,または中間層との界面近傍ではsin^2ψ法により求めた値と比べ大きな引張残留応力が存在することがわかった.
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Research Products
(1 results)