2003 Fiscal Year Annual Research Report
高速・高精度マシニングセンタのフィットネス向上に関する基礎的研究
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15560095
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松原 厚 京都大学, 工学研究科, 助教授 (80243054)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 康彦 ヤマザキマザック株式会社, 開発設計事業部加工技術研究センタ, 研究員(研究職)
茨木 創一 京都大学, 工学研究科, 助手 (80335190)
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Keywords | NC工作機械 / ベース振動 / 力学モデル / 振動解析 / FEM / ゲインチューニング / サーボ系 / 送り系 |
Research Abstract |
1.運動精度解析用モデル構築 高速・高加減速運転時でも高精度位置決めが可能なフィットしたマシニングセンタを構築するために,まず機械の振動解析を行う必要がある.このために力学モデルが必要となるが,解析対象機と設置環境を含めた厳密モデルをFEMにて構築した.この厳密モデルでは制御系との連成の理解や,設計指針を得にくいため力学的シンセシスモデルの構築を行った.以下に得られた成果をまとめる. (1)FEMモデルによる振動モード解析の結果,解析対象機の設置環境を含めたロッキング振動により,マシニングセンタコラムとベッド間に相対振動が発生していることがわかった.また,サーボ系の動剛性が低いために,低域のロッキング振動が運動軌跡に影響を与えることを明らかにした. (2)3自由度からなる力学モデルを構築し,サーボ系とあわせたシンセシスモデルを構築した.このモデルにより位置決め時の振動が予測できることを実験にて確認した. 2.運動精度向上のための方策 シンセシスモデルを用いてゲインチューニングと機械パラメータ変更を行った場合の振動の抑制度合いを検証した. (1)速度ループゲインを増加することにより振動が抑制される.しかし,ハイゲイン化を進めても振動が抑制できない場合があり,実験においても確認した.これはロッキング振動と送り系の振動の連成があるためである. (2)機械パラメータとして,ベッド質量は大きく,コラム質量は小さくすれば振動は抑制される.しかし25〜30%程度の変更では大きな改善は見られない.設計案として現実的なフィットネス向上策は送り系の剛性を増加し,同時にサーボゲインを向上することである.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 松原 厚, 垣野義昭, 濱村 実, 藤田 順, 甲斐義章: "ベース振動の影響を受けるNC工作機械送り系(第1報)-ベース振動を考慮した送り系のモデリングとサーボ解析-"2003年精密工学会秋季大会学術講演会講演論文集. 159 (2003)
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[Publications] 松原 厚, 梅本雅資, 濱村 実, 藤田 順, 甲斐義章, 垣野義昭: "ベース振動の影響を受けるNC工作機械送り系(第1報)-ベース振動を考慮した送り系のモデリングとサーボ解析-"70・4. 89-93 (2004)