ツールホルダのオンマシンたわみ修正と耐びびり性向上による高精度・高能率金型加工

2003 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 15560096
• Research Institution: Tottori University
• Principal Investigator: 小幡 文雄 鳥取大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20033243)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 上原 一剛 鳥取大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10324998)
• Keywords: マシニングセンタ / ツールホルダ / たわみ / 剛性 / 減衰性 / 接触界面 / びびり / 振動モード

Research Abstract

本年度は,高速マシニングセンタによる深彫りエンドミル加工の高精度・高能率化を目的としてツールホルダの回転たわみ修正およびツールホルダの耐びびり性向上に関して,以下に示す研究を行った.
ツールホルダの軸方向の回転たわみを,位置決め可能なXVZステージに固定した静電容量式変位センサを用いて測定した結果,軸方向の回転たわみのモードは一次モードが支配的であることが明らかとなった.この結果に基づいて,ツールホルダの突き出し長さLと直径Dの比が長いツールホルダの回転たわみ修正法として,ツールホルダ先端に回転たわみ修正用の調整おもりを付加する方法を考案した.この方法によるツールホルダのたわみ低減効果を確認する実験を行った結果,その修正方法の有効性が明らかにされた.
つぎに,ツールホルダの耐びびり性の向上について,ツールホルダの工具側にMnCu鋼を設置する方法を考案し,耐びびり性(剛性×減衰性)の観点から,有限要素法を用いた数値シミュレーションを行った結果,MnCu鋼部分の軸方向長さを最適値があることがわかった.次年度,この解析結果に基づいて求めた最適長さを有する耐びびり性の高いツールホルダを試作し,切削実験結果から耐びびり性を明らかにする.
さらに,実用性がある耐びびり性の高いツールホルダを開発するため,次年度はツールホルダとマシニングセンタ主軸の接触界面における摩擦係数とその接触面圧がツールホルダの振動モードに及ぼす影響について調べる.その基礎として,本年度は,ツールホルダとマシニングセンタ主軸の接触面界面を簡略化したモデルを製作するとともに,接触界面における摩擦抵抗や接触面圧がこのモデルの振動モードに及ぼす影響を有限要素法で解析する方法を確立した.