2004 Fiscal Year Annual Research Report
半導体材料切断用マルチワイヤソーにおける加工中のスラリー挙動と最適加工条件の構築
Project/Area Number |
15560104
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
石川 憲一 金沢工業大学, 工学部, 教授 (00064452)
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Keywords | 砥粒加工 / 切断加工 / ラッピング / マルチワイヤソー / スラリー挙動 |
Research Abstract |
本研究テーマである半導体材料切断用マルチワイヤソーにおける加工中のスラリー(砥粒と切削油の懸濁液)挙動と最適加工条件の構築に関して,工作物上昇方式に比して工作物降下方式の方がワイヤ上に乗った僅かのスラリーによって加工する点を鑑み,工作物降下方式に対する研究を行った.今年度の実験で明らかとなった結果を記述すると以下のようになる. 1.工作物としてソーダガラスを用いることによって,加工溝内部で流れるスラリー砥粒挙動が高速度カメラを用いることによって観察できることを明らかにした. 2.スラリーの加工溝内部への進入状態や加工溝内部に進入したスラリー挙動を観察した結果,走行するワイヤ下部の10mm程度の範囲がワイヤの走行運動の影響を強く受けて,スラリーが良く動く領域である事が明らかとなった.また,加工溝内部でのスラリー運動は,ワイヤ走行速度よりもかなり遅れる事が明らかとなった. 3.加工溝内部での気泡発生の状況等について実験的に観察した結果,(1)ワイヤの進入側からワイヤに沿って空気が進入する,(2)ワイヤの走行に伴って加工溝中のスラリーが排出される際に,ワイヤ排出側の下部(5mm程度の地点)からも空気が進入する,(3)工作物下部よりスラリー流れに伴って空気が進入することが明らかとなった. 4.加工溝内にスラリーを安定供給する方法の1つとして工作物を加工液中に沈めて加工する方法(浸漬方式)を実験的に検討した結果,加工溝中には全く気泡が入ることなく切断加工ができることが明らかとなった.また,流体シミュレーションソフト等を用いて,浸漬槽内のスラリーの挙動解析を行った結果,工作物の切断荷重を減らす方向にスラリー流れが発生しやすいことが明らかとなった.
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Research Products
(2 results)