2003 Fiscal Year Annual Research Report
ポリシング用砥粒としての焼成貝殻セラミックスの有効利用
Project/Area Number |
15560107
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Research Institution | Hachinohe National College of Technology |
Principal Investigator |
中村 等 八戸工業高等専門学校, 機械工学科, 講師 (20227929)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤垣 友治 八戸工業高等専門学校, 機械工学科, 助教授 (20149909)
若松 義信 八戸工業高等専門学校, 総合科学科, 教授 (80042133)
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Keywords | 焼成貝殻セラミックス / スラリー / 産業廃棄物の有効利用 / 地球環境 / ポリシング / シリコンウェハ / 鏡面 / ダイヤモンドパウダ |
Research Abstract |
本年度の主な目的は、ルブリカントとして添加剤を加えた蒸留水に焼成貝殻セラミックス(粉末貝殻を焼成したもの)を、分散したスラリーによるシリコンウエハのポリシング特性について研究をしてきた。その結果、次のような結論が得られた。 1)貝殻セラミックススラリーはpH12以上を示すが、人体に安全であり、かつ、優れたポリシング速度であった。したがって、従来、pHを高めるために水酸化カリウムKOHや水酸化ナトリウムNaOHを添加したスラリーよりも人体に安全で、地球環境の改善に寄与できる。 2)産業廃棄物である貝殻の有効利用が、十分可能性がある。つまり、シリコンのポリシングにおいて市販品スラリーと同等の鏡面が得られた。本実験機械では、5nmRa (算術平均粗さ)の粗さであったが、現在、さらに微細な貝殻セラミックスを製作できるので、これを使用した超精密機械では、サブナノメータオーダの粗さが得られると思われる。 3)シリコンをポリシングする貝殻セラミックススラリーの最適濃度およびそれに適応するクロスの性質を検討した。その性質は気孔を有する柔軟なクロスであった。また、その他のポリシング条件を明らかにした。 4)一般に、粒径が5μm以上の砥粒を含んだスラリーは、チューブポンプで供給すると、チューブの中で砥粒、が分離して供給が難しくなる。そこで、新たな添加剤を考案して砥粒が分離しないように供給できた。この添加剤は、粒径の大きいダイヤモンドパウダスラリーの場合にも活用できる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 中村 等: "焼成貝殻セラミックスによるシリコンウエハのポリシング特性"2003年度 精密工学会東北支部学術講演会 講演論文集. 33-34 (2003)
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[Publications] 中村等, 若松義信, 庄司克雄: "貝殻セラミックススラリーによるシリコンのポリシング"2004年度 精密工学会春季大会春季学術講演会 講演論文集. 121-122 (2004)