2005 Fiscal Year Annual Research Report
小型2ストローク火花点火機関におけるメタノール燃料の潤滑と排気煙に及ぼす影響
Project/Area Number |
15560111
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
藤田 尚毅 岩手大学, 工学部, 助教授 (40048830)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北野 三千雄 岩手大学, 工学部, 教授 (30005467)
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Keywords | 内燃機関 / 2ストローク / 代替燃料 / メタノール / エタノール / 排気煙 / 潤滑油 / 燃焼室堆積物 |
Research Abstract |
本研究では、小型2ストローク機関に燃料としてメタノールを用いた場合の、燃焼室堆積物の生成および排気煙に関する特性を、ガソリンの場合と比較して明らかにすることを目的に、模擬実験による潤滑油の蒸発・劣化試験と実機によるデポジットの堆積および排気煙に関する実験を行った。 潤滑油の静的加熱実験による劣化過程の調査については、凹みを有する円錐キャビティ上に滴下した潤滑油を電気炉中で一定時間過熱する方法と、浅いV字型溝を有する過熱平板を傾斜して設置し、その上に潤滑油を滴下する方法について行った。劣化進行中の潤滑油をそれぞれの時間において抽出し、これを熱重量分析機にかけてその熱的性質について調べた。潤滑油はその殆どがエンジン内では蒸発していくが、高沸点成分は残留しスラッジ化、ワニス化していく。この過程で油不溶解成分が増加していきデポジット化するが、生成因子としては加熱温度、時間、オイルの存在量(存在形態)が相互に影響していることを明らかにした。 また、実機運転によるデポジットの生成と排気煙についてメタノールを用いた実験を行った。メタノールは潤滑油と互いに溶解しないために、ピストンクラウンに付着する燃焼室デポジット(CCD)はガソリンの場合より少ない付着量となり、その付着パターンも異なってくる。また排気煙については排出物をフィルターで採取したもので色相比較さひた。ガソリンの場合は潤滑油が混合した様相を呈しており、メタノールの場合はすす発生によると思われる黒色の排出物となった。指圧線図から求めた熱発生率の形状から、メタノール燃焼に続いて潤滑油の燃焼が観察され、潤滑油由来のすすの発生と思われる。これらの成果については、日本機械学会東北支部第41期秋季講演会(機構論No.2005-2,420&421)および同第41期総会講演会(機構論No.051-2,201,203&211)にて発表された。
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Research Products
(2 results)