2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15560134
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
増田 渉 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (80143816)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 正太郎 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (10282576)
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Keywords | 化学レーザ / 超音速混合 / ランプノズル / 高出力レーザ |
Research Abstract |
超音速流ヨウ素レーザ(S-COIL)は、原理的に高出力を得やすく、また発振する波長が光ファイバによる導光に適していることから、次世代の産業用高出力レーザとして期待されている。しかし、現状では排気圧力が非常に低いという問題があり、発振後のレーザ媒質の排出処理のために大がかりな装置が必要で、このことが実用化を進めるうえで大きな障害の一つとなっている。本研究では、エジェクター効果による圧力回復技術の開発を提案した。この方法では、大きく流速の異なる二つの超音速流を混合させることで排気圧力を上昇させる。このときの流れ場は、ほぼ等速で混合していた従来の条件とは大きく異なるはずで、大きな速度差によって二つの流れは混合しにくくなると予想される。したがって、まず、混合を促進するノズルを用いてその流れ場の特性を調べ、その後、レーザ発振効率と圧力回復の両面から最適化を図る必要がある。 前年度は、流れ場の特性を把握することを目的に研究を進め、超音速混合における3次元流れの数値計算を行った。その結果、混合ノズルに設けられた段差の形状が、設計の目的の通り、混合を促進させる渦を生じることが確認できた。また、その渦の効果をさらに促進させる形状の改良を図り、改良型のノズル形状を考案した。 本年度はそれに続いて、ノズル性能の総合的な評価を行った。レーザ発振効率を評価するうえで必要となる化学反応の計算を、初年度に開発した3次元ナビエ・ストークス方程式の数値計算コードに組み込み、レーザ発振の効率の指標となる小信号利得係数を算出することにより、レーザ発振効率の評価を行った。ノズル形状の最適化を図るため、考案した3種類のノズルのそれぞれに対して、形状を変形させて計算を行った。その結果、形状を変化させることによって小信号利得係数が大きく影響を受けることが確認され、最適なノズル形状を示すことができた。その際、当初の予想に反し、渦を強めても必ずしも効率は向上しなかった。ピトー圧により評価される排気圧力は、どの形状のノズルでも大きな差はなく、当初の狙い通りの圧力回復効果があった。これらの結果から、圧力回復に適したノズル形状および混合条件を示すことができた。
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