2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15560144
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
山本 恭二 岡山大学, 工学部, 教授 (80026103)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
百武 徹 岡山大学, 工学部, 助手 (20335582)
|
Keywords | 稀薄気体 / 温度適応係数 / 運動量適応係数 / アルゴン気体 / キセノン気体 / 白金表面 / 分子動力学 / 溝付き表面 |
Research Abstract |
固体表面の性状により,固体表面における気体分子の適応係数,固体に働く応力,表面に伝わる熱流がどのように変わるかを,固体表面として白金,気体分子としてArを取り,二平面間の気体に対し,気体分子の動きに対してはモンテカルロ法を.また,気体・固体分子の干渉には分子動力学法を用いて調べた。表面性状としては,分子的スケールの溝がある場合,および,その表面に異分子が物理吸着している場合を主に取り扱っている。上下の板が異なる速度で動くクエット流れ(速度比を0.5とする)と上下の板の温度が異なる問題を解析した。取り扱っている壁の温度を300Kとしている。解析により,次のような結果を得た。 分子的スケールの溝がある場合には,溝の方向によって接線方向運動量適応は異なり,その係数は,溝に平行な場合0.37,垂直の場合には0.55となっている。また.この壁にXe分子が吸着している場合,接線方向運動量適応係数は,溝に平行な場合0.44,垂直の場合には0.58である。また,温度問題においては,エネルギー適応係数は,清浄な表面において,表面が滑らかな場合0.49,溝がある場合0.41であり,Xe分子が吸着している場合,表面が滑らかなら0.75,溝がある場合0.49である。これらの値は対応する実験値とその傾向がよく一致している。 どの場合にも吸着分子の大きな影響が見られる。 このような壁において反射される気体分子の持つ分子速度分布関数について調べたところ,どの壁においても,適応係数を上述の値に取るとき,マックスウェル型の反射境界条件によって記述されることが示された。 更に又,実用的にも重要である多原子分子(窒素分子)に対し解析を拡張している。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] K.Yamamoto, H.Takeuchi, T.Hyakutake: "Effect of wall characteristics on the behaviors of reflected gas molecules in a thermal problem"Rarefied Gas Dynamics(AIP Conference Proc.663). 1008-1015 (2003)
-
[Publications] 山本恭二, 武内秀樹, 百武徹: "固体表面における気体分子反射特性の分子動力学法による解明"日本機械学会誌. B,70,691. (2004)