2003 Fiscal Year Annual Research Report
ナノリキッドクラスレートハイドレートによる高密度潜熱輸送
Project/Area Number |
15560149
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
星野 大輔 東京都立大学, 工学研究科, 助手 (80106616)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 覚 東京都立大学, 工学研究科, 助教授 (70126316)
長浜 邦雄 東京都立大学, 工学研究科, 教授 (80087311)
太田 正廣 東京都立大学, 工学研究科, 教授 (80094259)
乗富 秀富 東京都立大学, 工学研究科, 助手 (20237895)
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Keywords | ナノリキッドクラスレート / ハイドレートスラリー / 潜熱輸送 / 臭化テトラ-n-ブチルアンモニウム / 調和融点 / 氷核活性物質 / 過冷却 / アミノ酸 |
Research Abstract |
本年度の研究計画は、(1)ナノリキッドクラスレートハイドレートスラリーの生成特性に関する研究、および(2)ナノリキッドクラスレートハイドレートスラリーの流動および伝熱特性測定装置の製作に関する研究である。しかしながら、本研究課題は追加採択であるために、実質的には(1)についての主要部分のみについて本年度は研究を行う事となった。(1)についての若干の未研究部分ならびに(2)については、本研究課題の最終年度が次年度(平成16年度)であるため次年度に渡って継続して研究を遂行し全体として研究課題を満たす事が出来ると考えている。 (1)ナノリキッドクラスレートハイドレートスラリーの生成特性に関する研究について記述する。本研究で用いるナノリキッドクラスレートスラリーは液系の包接水和物と水溶液のスラリーである。水和物のゲスト分子には臭化テトラ-n-ブチルアンモニウムを用いた。示差熱量計を用いてナノリキッドクラスレートハイドレートの生成温度と溶液濃度の関係ならびに調和融点、潜熱、生成速度および過冷却現象について詳細な実験を行った。また、過冷却防止のための最適氷核活性物質の探索実験において環境調和性に優れたアミノ酸系物質を用いて過冷却防止に効果がある事を見出した。 示差熱量計による融解曲線から解析・補正をした平均融解開始温度と平均融解エンタルピーならびに平均凍結開始温度と平均凍結エンタルピーを測定した。そして、臭化テトラ-n-ブチルアンモニウム水溶液濃度約40重量%付近に平均融解開始温度11.4℃、平均融解エンタルピー209J/gとなる調和融点を確認した。調和融点において氷の約60%の融解エンタルピーを持ち潜熱輸送媒体として十分な熱量を示している事を確認した。また調和融点における過冷却度は18度を示した。冷却速度および昇温速度は5種類の速度で測定を行った。平均凍結開始温度では冷却速度が遅い方が高い温度を示したが、平均融解開始温度では速度の差異は測定にほぼ影響しない事が示された。
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